2/4/2025, 1:47:30 PM
何度も何度もゴミに出してしまおうと思った。
でも、どうしてもできなかったんだ。
なんで、なんで、ドライフラワーなのさ。
普通の花束だったら、すぐに花びらが落ちてゆくゆくは枯れて。そうして思い出すこともなかったろうに。
自然に果ててくれない。だから。
幸せの後味が口に残こって消えてくれない。
永遠の花束 #179
2/3/2025, 9:06:35 PM
やさしくしないで。
ああほらまた。
君がやさしくするから、醜い僕の心が浮き彫りになる。
やさしくしないで #178
2/2/2025, 12:52:20 PM
ただ伝えたかっただけなんです。
すきって突然言われても困りますよね。ごめんなさい。
けれど、返事がほしいわけではないので。あ、あと。
てがみこれで最後になるかもです。さよなら。
___あの時、隠された手紙に気づけていたら。
隠された手紙 #177
2/1/2025, 1:52:29 PM
「ばいばい」
ざぁざぁと冷たい雨に侵食される。
雨のなか、その場に崩れ落ちる。
ぺしゃんと水が跳ねる音がやけに遠く聞こえた。
ゆっくり遠ざかる彼の背中が滲んだ。
___またね、はもう言ってくれないんだね。
バイバイ #176
1/30/2025, 2:17:14 PM
知らない表情。知らない仕草。
頭を鈍器で殴られたかのように視界が揺れた。
ああ、と唐突に理解する。
そういうことだったのか。
「それでね、先輩がね、」
その柔い頬を紅潮させて、はにかみながら話すきみ。
俺が知らない君の表情に、ぐわんぐわんと頭のなかが、視界が、かき混ぜられる。
自覚したとたんに潰される感情なら知りたくなかった。
まだ知らない君 #175