しずく

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知らない表情。知らない仕草。

頭を鈍器で殴られたかのように視界が揺れた。
ああ、と唐突に理解する。
そういうことだったのか。

「それでね、先輩がね、」

その柔い頬を紅潮させて、はにかみながら話すきみ。
俺が知らない君の表情に、ぐわんぐわんと頭のなかが、視界が、かき混ぜられる。

自覚したとたんに潰される感情なら知りたくなかった。



まだ知らない君 #175

1/30/2025, 2:17:14 PM