しずく

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12/12/2024, 2:11:40 PM

「先輩が考えていること、わかんな...」
 一人言のつもりだった。そしてそれは“つもり”で終わった。
「あ、なつめくんじゃん。やっほ」
「...うわ」
 さいあく。ぜったい聞かれてた。
 ...まあ、先輩を待っていなかったと言ったら嘘になるから、たぶん俺も先輩に聞かれる可能性は考えていたのだろう。その上で俺は一人言を放ったのかもしれない。
 最近は自分が考えることすらわからなくなっていた。解けそうにない矛盾の糸が絡み合ったまま答えがでないでいる。...うそ、ほんとは心のどこかで分かっているのに明確に答えを出すのが怖いだけ。
「なーつめくん、テストできた?」
 当たり前のように俺のとなりの席を陣取った先輩を一瞥する。ぱちっと視線がぶつかって冷静を装い、視線を下げる。教室には俺と先輩以外いなかった。 
「まあまあです。先輩が教えてくれたとこピンポイントで出て感心通り越して不正疑いかけました」
「え、まじ?出たんだ。よかったぁ、あんな教えといてひとつもでなかったらどうしよって思ったりしてたんだよね実は」
 ふわりとはにかんだ先輩に心臓が脈を吐いた。
 ...あ、いま先輩の心に触れられてる。作られた先輩じゃない。ふいに思った。


─心と心─ #138
(推し作家様が新作公開してくださっていた…!さっきまで生きる気力が奈落だったのが嘘みたいだ)

12/10/2024, 1:16:58 PM

仲間ってなんだっけ。
分かんなくなっちなったよもう。
何も思い付かないや。


─仲間─ #137

12/9/2024, 10:08:18 PM

「「せぇの」」
小さく笑い合う。
僕らにとっては唯一の希望である、闇夜にふたり、駆け降りてゆく。
繋いだ手は最期まで離さなかった。


─手を繋いで─ #136

12/8/2024, 12:59:06 PM

「こんな俺を受け入れてくれてありがとう。...ごめんね」
「えっ、───...っ」
 どきっとした。
 彼の瞳がまた死んでいた。夜の暗闇で塗りつぶされたかのような瞳だった。
 彼の表情は出会ったころと同じ、なんの感情も読み取れない氷色だった。
「...っ、」
 カラダが固まってしまったおれを貫いたのは焼けるような痛み。とっさにぐっと唇を噛んだ。
「な、なんで...っ、」
 突き刺された腹の痛みよりも心臓の痛みに苦しめられる。
 ああ、その程度だったんだね。
 お前のなかでのおれは、その程度だったんだ。
 簡単に刺せるくらいには、殺せるくらいには。
 じわりと涙が浮かぶ。
 相棒だと思っていたのは、おれだけだったのか。
「おれのほうこそ、ありが、と。ごめんな...」
 暗い微睡みのなか、最後に彼の耳元でつぶやいて、彼にもたれかかるように力尽きた。

「...なんでお前が感謝して謝ってんだよ、...まじで、さぁ」


─ありがとう、ごめんね─ #135
(最近、生きているのほんとにつらくなってきたかも。ここを書くためだけに日常をこなしているって感じ)

12/8/2024, 9:05:35 AM

「……すき、だなぁ」
 今日も部屋の片隅で闇に溶けて、堕落した一時を過ごす。
 明日も朝早いんだ。だから早く寝ないといけないのに。いつから涙が頬を伝っていたんだろう。
 手のひらで目元を拭う。決して綺麗ではない泥沼のような感情が吐いても吐いても止めどない。
 もう口癖になってしまった言葉を息をするように吐き出す。
「ああ...しにたい」


─部屋の片隅で─ #134
(共依存とかの激重系が大好物です(重い過去など背負っていると尚良し)。その割には自分では書けなくて苦戦してます)

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