しずく

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「こんな俺を受け入れてくれてありがとう。...ごめんね」
「えっ、───...っ」
 どきっとした。
 彼の瞳がまた死んでいた。夜の暗闇で塗りつぶされたかのような瞳だった。
 彼の表情は出会ったころと同じ、なんの感情も読み取れない氷色だった。
「...っ、」
 カラダが固まってしまったおれを貫いたのは焼けるような痛み。とっさにぐっと唇を噛んだ。
「な、なんで...っ、」
 突き刺された腹の痛みよりも心臓の痛みに苦しめられる。
 ああ、その程度だったんだね。
 お前のなかでのおれは、その程度だったんだ。
 簡単に刺せるくらいには、殺せるくらいには。
 じわりと涙が浮かぶ。
 相棒だと思っていたのは、おれだけだったのか。
「おれのほうこそ、ありが、と。ごめんな...」
 暗い微睡みのなか、最後に彼の耳元でつぶやいて、彼にもたれかかるように力尽きた。

「...なんでお前が感謝して謝ってんだよ、...まじで、さぁ」


─ありがとう、ごめんね─ #135
(最近、生きているのほんとにつらくなってきたかも。ここを書くためだけに日常をこなしているって感じ)

12/8/2024, 12:59:06 PM