他人からの愛情が、好意が、苦手。
愛情らしきものを向けられても、不信感しか抱けない。
なのに人を好き、嫌いっていうこの気持ちだけは一丁前に持っているから、ほら。
今日もまたひとつ自分の嫌いなところを見つけては募らせるんだ。
─愛情─ #125
(愛情って結局なんなんでしょうね。あれが愛情だっていうんなら、私は一生人を愛せないな)
冷たい雨のなか、傘の下で触れた肩の微熱が猛毒の如く
─微熱─ #124
(やばい、物理的に微熱続きで薬飲んでも頭痛抑えらんなくなってる。この一週間だけもってくれ。
あとでこの題材のお話付け足したいな)
「お兄ちゃんは悪くないの...っ。ぜんぶぜんぶ僕のせいで...っ」
手折ってしまった小さい向日葵を手にし、太陽の光で反射する弟の涙を綺麗だと思ったことを覚えている。
泣き顔は覚えているのに、笑った顔がどうしても思い出せなかった。
遠い記憶の中だ。
─太陽の下で─ #123
(前の鏡の話の続き?です。切ない系の引き離された双子の兄弟が最高だと思ってます。
...ああやばい。現実逃避すな)
落ちていけたら、どんなにいいだろう。
なにも気にせずにどこまでもどこまでも。
落ちていくとはどのような感覚なのだろう。
なににも縛られていなくて楽?それとも辛い?
少なくとも今よりは息がしやすいんだろうな。
見えない糸でか細い糸で、吊るされてどこまでも続く足元の闇を見せられながら、舌を噛んで落ちないように努力して、踏ん張って。
もうつらいよ。
いっそのこと、どこまでも落ちていきたいの。
なんのために踏ん張っているのかすら分かんなくなっちゃったんだってば。
─落ちていく─ #122
ごめんね。
ずっとずっと負い目が拭いきれないんだ。
きみの隣に俺がいていいのか、という負い目。
だって、俺が隣にいることできみも後ろ指をさされ、こころのどこかで怯えながら生きていくことになるんだ。
結婚もできない。
夫婦と呼ばれる普通を名乗れない。
俺と同じ思いをしてほしくない。
俺といることで傷ついてほしくない。
ぐちゃぐちゃの感情のままそう吐き出したら、
「...お前と離れるより全然いい」
なんて言われたっけ。
ひとりきりのベッドのなか、冷たい息を吐き出す。
あの日と同じように窓の外では雪に不似合いな赤のライトがちらついていた。
─夫婦─ #121