ごめんね。
ずっとずっと負い目が拭いきれないんだ。
きみの隣に俺がいていいのか、という負い目。
だって、俺が隣にいることできみも後ろ指をさされ、こころのどこかで怯えながら生きていくことになるんだ。
結婚もできない。
夫婦と呼ばれる普通を名乗れない。
俺と同じ思いをしてほしくない。
俺といることで傷ついてほしくない。
ぐちゃぐちゃの感情のままそう吐き出したら、
「...お前と離れるより全然いい」
なんて言われたっけ。
ひとりきりのベッドのなか、冷たい息を吐き出す。
あの日と同じように窓の外では雪に不似合いな赤のライトがちらついていた。
─夫婦─ #121
11/23/2024, 1:36:26 AM