ひとりきり
僕と言う人間がここにひとりきり。
君という人間がここにひとりきり。
そして僕は君に出会った。
ひとりきりだった僕とひとりきりだった君。
一緒になってふたりきりになった。
Red, Green, Blue
Red, は赤い服を着た女の子。
Green, は緑色の肌を持つ人。
Blue, は青い瞳の男の子。
赤い服を着た女の子に聞いてみた。
「君のお洋服はどうしてそんなに綺麗な赤色なんだい。」
彼女は無垢な笑顔でこう言った。
「血の色だよ!」
緑の肌を持つ人に聞いてみた。
「あなたの肌はどうして緑色をしているの?」
ソレは無表情のまま答えた。
「…君たちとは違う生き物だから。」
青い瞳の男の子に聞いてみた。
「君の瞳はとても綺麗な青色だね?君の目には景色がどんなふうに見えている?」
彼は悲しそうな顔をして言う。
「あなたは誰?僕の瞳は何も見えないんだ。」
人々は彼らの特徴になぞらえて彼らを『Red, Green, Blue』と呼んでいる。
フィルター
それは誰もが持っている。
言い方を変えれば「偏見」や「色眼鏡」だ。
一概にそれが悪いことだとは私は思わない、なぜなら他者のフィルターを通して新しい発見や気づきを得られるから。
私は昔から「おかしい」「変なやつ」「変わっている」と言われてきた。
その変人のことを心底嫌う人もいれば、心酔して崇めるような人も現れた。
他者のフィルターを通して自分という人間が可視化されたようでとても興味深かった。
独自のフィルターを通してまだまだ底知れないこの世界でたくさんの新たな発見をしていきたい。
仲間になれなくて
昔から仲間はずれになるのが怖かった。
いつも他人の顔色ばかり伺って、いつも"普通"でいようとした。
そんなつまらない私の日常に彼女は突然現れた。
派手な髪色に派手なメイク、派手な服装と派手なアクセサリー。
当然、周りの大人たちは彼女を"普通"にするために寄ってたかって『常識』という縄で彼女を押さえつけようとした。
そんな事お構いなしに彼女は無邪気に笑って大人達をからかい、冷めた目で見る周りの人達に堂々と中指を立てた。
私も例外でなく彼女に中指を立てられたけど、私の心はそんな彼女の虜になった。
ある日、私は勇気を振り絞って彼女に聞いてみた。
「あ、あの。…仲間はずれにされるのは、怖くないの?」
「ん?うん!"仲間"なんて言って他人の顔色伺って見下して寄せ集まってるだけのかっこ悪い集団は私には必要ないから。…けど、対等な"友達"なら募集してるよん!」
と、無邪気に笑う彼女。
私は無意識に差し出された彼女の手をギュッと握っていた。
雨と君
雨の日は君を思い出す。
君を初めて見た時、たまたま君は走ってきて僕の横で立ち止まった。
急な雨で傘も差せずに来たのか髪や服が少し濡れていた。
水も滴る── とはよく言ったものだ。
雨露に濡れたその姿に僕は思わず息を呑んだ。
声をかける間もなく君は立ち去ってしまったけれど、そんな君の姿が雨の匂いと共に脳裏に強く焼き付いた。
どこの誰かも知らない君、もう会うことはないだろうけど、僕は雨を見る度に密かに君を思い出す。