27(ツナ)

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雨と君

雨の日は君を思い出す。
君を初めて見た時、たまたま君は走ってきて僕の横で立ち止まった。
急な雨で傘も差せずに来たのか髪や服が少し濡れていた。
水も滴る── とはよく言ったものだ。
雨露に濡れたその姿に僕は思わず息を呑んだ。
声をかける間もなく君は立ち去ってしまったけれど、そんな君の姿が雨の匂いと共に脳裏に強く焼き付いた。

どこの誰かも知らない君、もう会うことはないだろうけど、僕は雨を見る度に密かに君を思い出す。

9/7/2025, 12:02:24 PM