仲間になれなくて
昔から仲間はずれになるのが怖かった。
いつも他人の顔色ばかり伺って、いつも"普通"でいようとした。
そんなつまらない私の日常に彼女は突然現れた。
派手な髪色に派手なメイク、派手な服装と派手なアクセサリー。
当然、周りの大人たちは彼女を"普通"にするために寄ってたかって『常識』という縄で彼女を押さえつけようとした。
そんな事お構いなしに彼女は無邪気に笑って大人達をからかい、冷めた目で見る周りの人達に堂々と中指を立てた。
私も例外でなく彼女に中指を立てられたけど、私の心はそんな彼女の虜になった。
ある日、私は勇気を振り絞って彼女に聞いてみた。
「あ、あの。…仲間はずれにされるのは、怖くないの?」
「ん?うん!"仲間"なんて言って他人の顔色伺って見下して寄せ集まってるだけのかっこ悪い集団は私には必要ないから。…けど、対等な"友達"なら募集してるよん!」
と、無邪気に笑う彼女。
私は無意識に差し出された彼女の手をギュッと握っていた。
9/8/2025, 1:39:58 PM