27(ツナ)

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5/9/2025, 11:13:29 AM

「夢を描け」

白紙の紙とペンを渡して、「夢を描いてください」というと
ある人は紙に大きく「夢」という字を描き、ある人は言葉で憧れの職業を描き、ある人はイラストで今日見た夢を描いた。

ヒトの数だけ、夢がある。

あなたならどうしますか?

5/8/2025, 11:04:52 AM

「届かない……」

私は女なのに背が高いのが幼い頃からコンプレックスだった。「ノッポ」や「巨人」と言われるのは日常茶飯事で辛かった。

高校を卒業し図書館で働いていて、ある日の仕事中、背の小さな女性が背伸びをして必死に手を伸ばして本を取ろうとしていた。

「羨ましいな…」なんて思いながら彼女に声をかけた。
「どの本ですか?取りますよ。」
「あっ、すみません!あの図鑑です。わぁ、ありがとう。」
ヒョイと本を取って手渡すと、彼女は満面の笑みでこっちを見ていた。
「いえいえ、あ、あとはありますか?」
「背が高くていいですね…。」
親切にしたのに嫌味を言われたと思い、少しムッとしてしまった。
「背が高くて凄く綺麗だし、こうしてかっこよく人の役に立てるから、素敵ですよね。しかも、お姉さん優しいからより素敵…。」
早とちりしてしまい、少し恥ずかしかったが、初めて高身長のことを素敵だと言われ、救われた気がした。

5/7/2025, 1:27:37 PM

「木漏れ日」

夏が近づき、日に日に暑くなってきた。
休日、ふと思い立って車で片道30分程で行ける近くの渓谷へ涼みに行くことにした。

人の手が加わっていない、自然豊かな渓谷。木々の間からは幻想的な木漏れ日が無数に差し込み、川の流れる音と野鳥の鳴き声、木の葉のざわめきがこだましていた。

視線を感じて振り返ると、木漏れ日に照らされるように1人の少女がそこに立ってじっと僕の方を見ていた。
まだ少し肌寒い季節なのに、少女はキャミソールの真っ白なワンピースを着ていた。

僕と目が合うと、ゴツゴツした岩場がある方へ勢いよく走っていった。
「危ないよ!」
咄嗟に、そう叫んで少女の後を追うが、少女は軽々と岩場を駆け抜けていって、ついに見失ってしまった。

すると少女が隠れた岩場の奥から、真っ白い羽の蝶が現れ、木漏れ日の渓谷を優雅に舞っていた。

5/6/2025, 11:21:07 AM

「ラブソング」

ラブソングを歌うくせに、リアルな色恋沙汰には興味が無いの?
アフターで行くカラオケの狭くて暗い部屋の中で、彼は私の肩を抱いてラブソングを歌う。
歌詞に出てくる「好き」とか「愛してる」っていう言葉。

一緒にいてお店と歌以外でそんな言葉、言われたこと1度もない。

だから、私はラブソングなんて大っ嫌い。

5/5/2025, 12:59:35 PM

「手紙を開くと」

下駄箱を開けると、中に手紙が入っていた。
まさか!と思い辺りに誰もいないことを確認して素早く手紙をカバンにしまう。

いつもより倍の勢いで自転車を漕ぎ、ダッシュで部屋へ。心を落ち着かせて手紙を開く。

「お手紙、突然ごめんなさい!!!先輩の
れんらく先をど〜しても聞きたくて、
だめだったら大丈夫なんですけど…どうか!
よろしくお願いしますっ
♡」

中をみて、俺の高揚感は一気に消え去り、手紙をバラバラに破り捨てた。
こんなイタズラを仕掛けるやつはアイツしかいない。

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