無季

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9/21/2024, 2:09:18 PM




    そよ風が吹き抜けたバス停。
    ベンチに座って、本を読む貴方。
    風に揺られた髪が、貴方の顔を隠してしまう。

    ひとつ、私の口から声が落ちた。
    貴方が刹那でも視界から掻き消えてしまうことが
    淋しくて、惜しい。
    
    たぶん、恋なんだと思う。

9/19/2024, 1:08:22 PM




      空中に漂う量子が止まれば、
      私は動けず。
      あなたの心臓が止まれば、
      私は進めず。
      あなたが生きる今の時間が、
      動き続けることを願って。
      終わらないことを祈って。
  

9/18/2024, 3:11:55 PM




    並ぶビルの影に命が一つ落ちていく。
    暗がりのなかで、月だけが息をしている。
    誰も知らない、終わりの日。 
    世界が明日、終わるとしても、
    あと数千年、地球が存在するとしても、
    僕らが今日まで生きていたことは変わらない。

9/17/2024, 3:22:48 PM




     満開の花々を踏み折って、
     花畑の中心地にて、
     我が身を鉛で貫いてしまえ。
     この身に残るは、無限の残滓。
     打ち砕かれた二番煎じの黄色を
     最後の視界に映して。

9/16/2024, 10:30:15 AM





    雨は誰かの涙なんだって。


    そう言ってた君は、もういない。
    君がいなくなった日も、体が燃え尽きた日も
    茹だるほど暑い晴天だった。

    君がいなくなってから、
    何度も泣き喚いているのに、
    君がいる空には届いていないみたい。
    

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