無季

Open App
9/16/2024, 10:30:15 AM





    雨は誰かの涙なんだって。


    そう言ってた君は、もういない。
    君がいなくなった日も、体が燃え尽きた日も
    茹だるほど暑い晴天だった。

    君がいなくなってから、
    何度も泣き喚いているのに、
    君がいる空には届いていないみたい。
    

9/15/2024, 3:31:18 PM







     送ろうとして、躊躇って、
     送信ボタンがいつまでも押せない。

     無力で、非力な僕の
     無価値な恋を終わらせたくない、って
     傲慢な心を燻らせてる。

9/14/2024, 11:50:02 AM





    空の彼方
    惑星の外
    同じ銀河のどこか

    爛れた星の表面
    燻る火山の火の粉
    溢れるマグマの音

    私は此処で待っていました
    いつだったか、空に消えていった貴方を
    この星の終わりは近いでしょう

    私は、この星と共に死にゆくのでしょう
    私は、今も貴方を待っているのです

9/13/2024, 11:53:38 AM



    夜の闇に紛れて、ひたすら。
    ただひたすらにバイクを蒸す。
    必死に追手の影から逃げていく。

    行く宛はあるが、些か距離が遠い。
    それまで追手に見つからないことを祈る他ない。

    バイクがカーブを曲がる。
    夜は未だ明けそうにない。   

9/12/2024, 8:45:10 AM


   憤慨しながら、廊下を歩く。
   窓の縁に積もった埃。
   毛先の絡まった絨毯。
   私の屋敷なのだから、綺麗でなくては。  
   使用人は新しくするべきだろう。

   沸き立つ激情を抑え、私室に入る。
   一流に作らせた花瓶。
   生けてある花は萎れてしまっている。
   一級の木で作らせた一等の机。
   その上にあるカレンダーは去年のままである。

   まったく、使用人は何をしているのか!   
   主人の机は常に最新の状態でなくてはならない!
   私が死んでいようとも、守って貰わなくては!

   

Next