無季

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   憤慨しながら、廊下を歩く。
   窓の縁に積もった埃。
   毛先の絡まった絨毯。
   私の屋敷なのだから、綺麗でなくては。  
   使用人は新しくするべきだろう。

   沸き立つ激情を抑え、私室に入る。
   一流に作らせた花瓶。
   生けてある花は萎れてしまっている。
   一級の木で作らせた一等の机。
   その上にあるカレンダーは去年のままである。

   まったく、使用人は何をしているのか!   
   主人の机は常に最新の状態でなくてはならない!
   私が死んでいようとも、守って貰わなくては!

   

9/12/2024, 8:45:10 AM