無季

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9/13/2024, 11:53:38 AM



    夜の闇に紛れて、ひたすら。
    ただひたすらにバイクを蒸す。
    必死に追手の影から逃げていく。

    行く宛はあるが、些か距離が遠い。
    それまで追手に見つからないことを祈る他ない。

    バイクがカーブを曲がる。
    夜は未だ明けそうにない。   

9/12/2024, 8:45:10 AM


   憤慨しながら、廊下を歩く。
   窓の縁に積もった埃。
   毛先の絡まった絨毯。
   私の屋敷なのだから、綺麗でなくては。  
   使用人は新しくするべきだろう。

   沸き立つ激情を抑え、私室に入る。
   一流に作らせた花瓶。
   生けてある花は萎れてしまっている。
   一級の木で作らせた一等の机。
   その上にあるカレンダーは去年のままである。

   まったく、使用人は何をしているのか!   
   主人の机は常に最新の状態でなくてはならない!
   私が死んでいようとも、守って貰わなくては!

   

9/10/2024, 1:04:41 PM



    世界を救うために、恋人を手にかけた
    世界に平和が訪れた。
    恋人が育てていた薔薇は枯れ果てた。

    肉を断つ感触も、耳に残る呻き声も、
    思考を縛り付けて、離してくれない。

    温かな日差し、荒れた家。
    キッチンに立つ君はもういない。

    カーテンを開け、窓の外を覗く。  
    君を犠牲にした世界は、
    僕が見るにはあまりにも美しい平穏だった。
    

9/8/2024, 2:57:29 PM



     70bpmで拍動してるあなたの心臓
     測定された数字でしか、
     私はあなたの鼓動を知らない

     69、67、…。
     少しの変化を恐ろしく感じて、
     ずっとモニターを見つめている

     いつか、元気になったら、
     あなたの心臓の鼓動を
     直に感じてみたい。
     だから、早く目を覚ましてね。

9/8/2024, 8:12:30 AM





    踊り狂って、舞台の上でこときれる。
    そんな幸福を夢見て、
    私は今日も踊るのです。

    アンコールは何度でも。
    爪先が擦り切れようと、
    指の一つが折れようとも。

    いつか、その時が来たら、
    貴方が私の体を燃やしてくださいね。

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