無季

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    世界を救うために、恋人を手にかけた
    世界に平和が訪れた。
    恋人が育てていた薔薇は枯れ果てた。

    肉を断つ感触も、耳に残る呻き声も、
    思考を縛り付けて、離してくれない。

    温かな日差し、荒れた家。
    キッチンに立つ君はもういない。

    カーテンを開け、窓の外を覗く。  
    君を犠牲にした世界は、
    僕が見るにはあまりにも美しい平穏だった。
    

9/10/2024, 1:04:41 PM