沈む夕日を見てると
私もこのままオレンジに溶けだしてしまえば良いと思う
美しすぎるから
でも、私は醜すぎるから
美しいものと醜いものが並んだら美しいものが余計際立つ。そういう物だ。
それでいいから、
そのままでいいから、
死なないで欲しい
何も高望みしない。君が死んだら私は道を間違えてしまう。
と、貴方は言った、
あれ、私、貴方に「死にたい」なんて打ち明けたことがあったっけ?
言われた瞬間それについて考えて、瞳孔は開きっぱなしで息を吸うのも忘れたのをよく覚えている。
やっと絞り出したのは
なんで?
それだけだった。
主語もないし何についての問なのか、私自身も分からないが 咄嗟に出た言葉というものは大体心情の核心をついていることが多い。
その時もそうだった
君が、今にも消えそうだから。
目を離した隙に 手の届かない場所に行きそうだって思った、気のせいかもしれないけど
それに君は 自分の存在の大きさを理解してない。
うるさいなあ、 お前誰だよ笑 別に死なないよ。
そう言おうとした。いつもみたいに
でも無理だった。
────── そうだね。ごめんね
それしか言えなかった 笑ってたつもりだったから。
私は私の想像よりも 悲しうな顔をしてたらしい。
それでいいから。
その言葉は妥協なのか、現状維持が最適解と言いたいのか、知らないが
君がそう言うならあと少し頑張ってあげなくもない。
そう思えた時間だった。
お題「それでいい」
失った時の 虚しさを 知っている
些細な事物も
何一つ取りこぼしたくない
怖いんだと思う、 失くした時の事を考えたら
内臓が口から出てきそうな感覚に陥ってしまって
大切なものは一周まわって無いように感じる
そんなものは、ない
何かが無くなっても、亡くなっても、
何も感じない
だからどうした
人は小さな事も失ってみたら 必要だったことに気づく
知っている、知っている
思っているより大きかったと気付く
失った時の耐え方を知らない。
失いたくなかった 大切だった
何をされても何度も許す、 無言で許す 無かったことにする 愛だと勘違いするように、するようにするようにするように。
家族だもんね。
なかった、あんな事は無かった 誰も私を殴っていない
言い聞かせた
黙ってそれを繰り返す
愛があったからできた事だった
気付いてしまった
昔の美美しい記憶に縋って縋って、
失いたくなかったから必死に捕まえてたはずなのに
命みたいに落としたら帰ってこないのだ
あんなに大切だった 私の大切なものだった。
無くなってから、家にいる時私は私ではない。
こんな虚しさは人が感じたら死んでしまう
私ももうすぐだめになる
失った 常に焦燥感に追いかけられている
だから何も取りこぼさない
大切なものなんて限定する勇気はわたしには
ない。
お題 「大切なもの」
みんな 幸せになればいいと思う
「人生」なんてかっこいい名前が着いているだけで
人生は 生まれ落ちてから死ぬまでの時間でしかない。
人間は頭がいいからその時間だけに「人生」なんて名前をつけて 生きるロマンを語り出した。
私はそう思う
私に
ずっと一緒にいたいと言った
好きだと言った
別れたくないと言った
憧れていると言った
大切だと言った
私の
絵を買いたいと言った
笑顔が好きだと言った
文が好きだと言った
文を読んでいる
私が
可愛いと言った
賢いと言った
欲しいと言った
貴方も 貴方も 貴方も あいつも あの人も
幸せになればいいと思う
生きる中での快感を 絶頂を 追求すればいいと思う
追求して追求して狂ってしまえばいい
私もあなたを恋に落として蹴落としたあと 母を嬲り殺して死ぬ
死ぬ
幸せを追求し絶頂に至りたい
文を書く あなたが読んでいる
この構図も誰かの幸せなのだろうか
こんなすさんだ人間が書いた文がだれかの恵になるのだろうか
あなたも絶頂を追求すればいい
お幸せになればいい
お幸せに、
呼吸も尊い貴方の絶頂を私は見ていたい。
お題「お幸せに」
重い
重い
重い
朝起きて日が鬱陶しいから 瞬きもする気が起きない
鼻が詰まってる
目覚めない
部屋を回る風も詰まる
蟠りがある 泡沫みたいに消えればいいのに
猫が擦り寄ってきて私の膝に座った
かわいい
少し軽くなる
絵を描く
木炭が削られる音を聞きながら木炭紙の摩擦を感じて また少し軽くなる
母の嘔吐の嘔吐く声が聞こえる
あの憎い母の。 滝が降ってきたみたいに重くなる
正直母が苦しんでいるのは愉快だ もっと苦しめばいい
でも軽くならない
父と2人の夕飯、明るい話は無い 酸化した空気を感じるだけ
重くなる
重すぎてきっともう何周もしている
何も感じない
それは嘘 そうであって欲しいだけだ そうなら、楽だから。 不安定ななくていいものだ
お題 「My Hart」