それでいいから、
そのままでいいから、
死なないで欲しい
何も高望みしない。君が死んだら私は道を間違えてしまう。
と、貴方は言った、
あれ、私、貴方に「死にたい」なんて打ち明けたことがあったっけ?
言われた瞬間それについて考えて、瞳孔は開きっぱなしで息を吸うのも忘れたのをよく覚えている。
やっと絞り出したのは
なんで?
それだけだった。
主語もないし何についての問なのか、私自身も分からないが 咄嗟に出た言葉というものは大体心情の核心をついていることが多い。
その時もそうだった
君が、今にも消えそうだから。
目を離した隙に 手の届かない場所に行きそうだって思った、気のせいかもしれないけど
それに君は 自分の存在の大きさを理解してない。
うるさいなあ、 お前誰だよ笑 別に死なないよ。
そう言おうとした。いつもみたいに
でも無理だった。
────── そうだね。ごめんね
それしか言えなかった 笑ってたつもりだったから。
私は私の想像よりも 悲しうな顔をしてたらしい。
それでいいから。
その言葉は妥協なのか、現状維持が最適解と言いたいのか、知らないが
君がそう言うならあと少し頑張ってあげなくもない。
そう思えた時間だった。
お題「それでいい」
4/4/2023, 11:13:18 AM