70_愛情
朝にたまたま会っただけで
この黒さが写ってしまうなら、
私は君を避けるべきなのだろうか。
もしこれが
変に白ばかりなものであったのなら、
君は心の底から
笑顔になってくれるのだろうか。
そうならば、きっとそれは
仮面の被る愛情であるに違いない。
でも君は
馬鹿だから
気づかないから
気を遣いすぎるから
優しすぎるから。
私はこの仮面を脱ごうとは思えない。
このままの上っ面な愛情でゆるして。
セーター_69
いま、君の声を聞きたい。
星が見える夜だよ。
電話をしたいの。
私は編む。
この藍色のセーターに
星屑を散りばめて。
不完全な僕_68
俺には距離感考えなくていいって
そう言われても、怖いものは怖い。
電話の時の君は好きだけど…
なんて続きを言えるような
勇敢な奴じゃない。
ちょっと抜けてて頭のいい君は
こんな僕と一緒にいたら幸せになれないよ。
しかも…
ほらね、やっぱり言えない。
あぁ、あと君は僕って言う奴のことは
キライなんだと言っていたね。
だから使い始めるよ、僕は。
向かい合わせ_67
君と向かいの席に座って
君の顔をみて
君だけに向けた笑顔で話す。
でも君は
私と向かいの席に座って
少し遠くのあの子を見つけ
遠い目をして話す。
おねがい。
何かの手違いで
あの子に向けるはずだった笑顔を
見せてくれない、?
私の名前_66
私の名前を間違えなかったのは
君だけだった。
ほんの些細なことで気負いしすぎたり
プレッシャーを感じたりするけど、
そんな時に大丈夫って言ってくれる存在が
本当に大切で好きだと思っていた。
その存在は紛れもなく君であって
偽りなんてなかった。
でも、私は心から誓うと決めたことがある。
ずっとはないってこと。
ずっと大好きとか、ずっと一緒だとか
絶対そんなことない。
ずっとは信じたいけど、
君が思うよりも私は遥かに優しい人じゃない。
それに独占も依存もする。
だから、そう簡単に
大好きって言わないでよ
好きって言わないでよ
期待させないでよ
落ち込まないでよ
心配しないでよ。
でも、もう手遅れなんだって
わかってる。
だって名前を間違えなかった君は
唯一私を見てくれていた気がするから。