愛を叫ぶ。_51
君の横顔に「好き」と囁く。
雀の涙よりも小さな自信が
叫びたい心をひたすらに抑えた。
「逃げても無駄だよ」
と言われたかのように
しばらくその場から動けなかった。
それはまた、私に
愛を叫ばさせようとした。
明日世界が終わるなら_50
恥ずかしながら、私は匂いフェチだ。
だからと言って、普段から
くんくんと嗅ぎ回る訳にもいかない。
明日世界が終わるなら
とお題で見た瞬間、これしかないと思った。
あの人を抱きしめて、ひたすらに嗅ぎたい。
いや。文面は相当ヤバい奴になる。
というより、文面どころか
全てにおいて変態である。
だが、実際
それくらい安心感のある匂いのする
あの人は魅力的なのだ。
誰も、欲には勝てないものであろう。
君と出逢って_49
ふわりと香り
頭で思考が回らなくなる。
香水でもなく、柔軟剤でもなさそうな香り。
その香りが何に替えようとも
大好きになってしまった。
その香りに包まれて眠られたなら
生涯最高の時間を過ごせるだろうに。
あぁ、駄目だ。
既に君のことを大切に思えなくなっている。
僕のモノにしたいと思ってしまっている。
楽園_48
花が咲き、どきどきする香りが漂う。
足を踏み出せば全身は、びくりとして-。
君の太ももには私の手が置かれ、
あの花の香りが首元で近くに感じる。
すまない、と言って素早く身体を起こすが
どうにも恥ずかしくて耳が熱をもった。
時間は止まったようで
自分から変わらねば、何も変わらない。
それでも、私は怖くなってしまった。
やっとのことで一歩を踏み出したものが、
夢であったために。
生きる意味_47
いま、隣に座っている君に
私はいつも教えられていた。
頭をことん、と私の肩に添える。
それは何よりもあたたかくて、優しいのに
なにかが空っぽであるように感じさせた。
昨日は私と君だった。
だから今日、
私は生きる意味を、失った。