あんみつ

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5/6/2024, 4:56:54 AM

君と出逢って_49

ふわりと香り
頭で思考が回らなくなる。

香水でもなく、柔軟剤でもなさそうな香り。

その香りが何に替えようとも
大好きになってしまった。

その香りに包まれて眠られたなら
生涯最高の時間を過ごせるだろうに。

あぁ、駄目だ。
既に君のことを大切に思えなくなっている。

僕のモノにしたいと思ってしまっている。

4/30/2024, 9:00:18 PM

楽園_48

花が咲き、どきどきする香りが漂う。
足を踏み出せば全身は、びくりとして-。

君の太ももには私の手が置かれ、
あの花の香りが首元で近くに感じる。

すまない、と言って素早く身体を起こすが
どうにも恥ずかしくて耳が熱をもった。

時間は止まったようで
自分から変わらねば、何も変わらない。

それでも、私は怖くなってしまった。
やっとのことで一歩を踏み出したものが、
夢であったために。

4/27/2024, 8:47:25 PM

生きる意味_47

いま、隣に座っている君に
私はいつも教えられていた。

頭をことん、と私の肩に添える。

それは何よりもあたたかくて、優しいのに
なにかが空っぽであるように感じさせた。

昨日は私と君だった。

だから今日、
私は生きる意味を、失った。

4/22/2024, 1:40:53 PM

たとえ間違いだったとしても_46


ネオンが眩しく反射する
あついアスファルトの上を、車で走らせる。


お前をはじめて助打席に乗せたのは、
もう何年か前のことだったな。

あの時は彼氏がいるやら、
気になってる後輩がいるやらで、
どうにも乙女に見えた。

この関係が始まったのも、続いているのも
その理由は埋もれていくだけ。

俺にとって、
理由は他人事のように思えていたんだ。

決まった日には
誰も、何も、考えられなくなるように、
身体が変になりすぎるくらいに、
お前の全てを受け止めてやった。

それが、いつからか日常となり
居て当たり前の存在となり
感情もなしに、
ただこなしていくだけになった。


どこで間違えたのだろうか。


-君が好きだった僕は。



たとえ、この手が間違いだったとしても
「君のそばにいた方が良い」
と言ってならなかったのは、
僕が一番君を知っていたからだと思う。


そう、くだらない話を思い出していた時、
すぐ横の窓から
お前の乱暴なノックが頭に響く。

一つ息を吐いてから窓を開ける。

ガソリンや排気ガスの咽せる臭いと
甘ったるく、熟しきったフルーツのような
香水の匂いがした。

4/18/2024, 9:46:30 PM

無色の世界_45

初めて見かけた時は好印象で
高い背は私を包んでくれそうに思える。

だから私は 貴方に抱擁を求める。

無色が少しでも彩られるだろうと信じて。

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