ヒラガ

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たとえ間違いだったとしても_46


ネオンが眩しく反射する
あついアスファルトの上を、車で走らせる。


お前をはじめて助打席に乗せたのは、
もう何年か前のことだったな。

あの時は彼氏がいるやら、
気になってる後輩がいるやらで、
どうにも乙女に見えた。

この関係が始まったのも、続いているのも
その理由は埋もれていくだけ。

俺にとって、
理由は他人事のように思えていたんだ。

決まった日には
誰も、何も、考えられなくなるように、
身体が変になりすぎるくらいに、
お前の全てを受け止めてやった。

それが、いつからか日常となり
居て当たり前の存在となり
感情もなしに、
ただこなしていくだけになった。


どこで間違えたのだろうか。


-君が好きだった僕は。



たとえ、この手が間違いだったとしても
「君のそばにいた方が良い」
と言ってならなかったのは、
僕が一番君を知っていたからだと思う。


そう、くだらない話を思い出していた時、
すぐ横の窓から
お前の乱暴なノックが頭に響く。

一つ息を吐いてから窓を開ける。

ガソリンや排気ガスの咽せる臭いと
甘ったるく、熟しきったフルーツのような
香水の匂いがした。

4/22/2024, 1:40:53 PM