平山

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1/17/2024, 9:17:23 PM

木枯らし_22

君からの視線が強くなった。
その時期は木枯らしが吹く頃だった。

授業を寝ずに 熱心に聞いてくれて
真面目にノートもとってくれて
いつも すごいなって思ってたよ。

でも ごめんな。
大人の事情だったんだ。
本当にごめんな。

だから私は最後の授業で
また縁があったら…って言った。
縁なんてものを
私自身が切ろうとしていたのに。

ごめんな。
卒業まで見送れなくて。

ただ 私が弱かっただけで
君に涙を流させた。

それでも
私は無責任なことしか言えない。

また縁があれば 会えますように と。

1/16/2024, 9:38:05 PM

美しい_21

お初にお目にかかります 王子様。
どうか そんなお顔に
なさらないでください。

儚くも美しいお顔が 乱れてしまいます。

どこぞの宝石よりも輝かしい瞳
とても美しいことでございます。

ああ こんな姿では
言葉ですら届きませんね。

貴方様が 一緒に見たいとおっしゃった夢
それも叶えられず 申しわけなく思います。

ですが 此処でお目にかかれたこと
とても 嬉しく思います。

また会いに来てくださること
楽しみに待ち望んでおります。


空の上の星より。

1/15/2024, 9:21:12 PM

この世界は_20

僕は守られていた。
だから 僕の世界は狭かった。

王子様だとして扱われ 何をするにも
周りには複数の大人たちがいた。

行ってきます と一つ言葉にすると
行ってらっしゃいませ と八つ返ってくる。

そんな僕にも 好きな子はいた。
父にいくら
あの子の家は 家政婦はいないほど…
と言われようとも
金銭面など 人の良さには直接繋がらない。

その子は
どの大人よりも可愛らしく
どの大人よりも優しかった。

そして あの子と一緒に暮らせる未来なら
僕は幸せになれると思った。

あの子の世界に入られるのなら
僕は この狭くて 苦しい世界から
解放されるのだろうと。

1/14/2024, 10:34:16 PM

どうして_19

私は“君と”夜空に浮かぶ星を
眺めたかったんだ。

それなのに
どうして “君は”星になったんだ。

1/14/2024, 7:12:14 AM

夢を見てたい_18


“思ひつつ 寝ればや 人の見えつらむ
夢と知りせば さめざらましを”

いつ どの時代も
夢には 自分の欲が出てしまうものである。

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