どうして_19
私は“君と”夜空に浮かぶ星を
眺めたかったんだ。
それなのに
どうして “君は”星になったんだ。
夢を見てたい_18
“思ひつつ 寝ればや 人の見えつらむ
夢と知りせば さめざらましを”
いつ どの時代も
夢には 自分の欲が出てしまうものである。
ずっとこのまま_17
ある時 私は教授になった。
ある時 俺は優等生になった。
ある時 僕は虫になった。
恋をして 青春を謳歌して 空を飛んだ。
苦しくて 辛くて 楽しくて
気持ち良くて 嬉しくて たまらなかった。
だが それも表面的なものであることには
変わりなかった。
あの世界に入り込んでいる時だけ
その時だけは 何にも縛られずに済んだ。
時間だけは止まらずに進む現実。
それが余計に私を苦しめた。
だから ずっとこのまま
本の中に閉じこもって
現実から目を背けていたい。
寒さが身に染みて_16
君がいなければ
光は失われないはずだった。
私が車で帰宅しようとも
あのコーヒーショップの香ばしい煙は
今どき珍しい煙突から立ち上っていた。
家に帰るまでの間
全ての信号に引っかかった。
この信号は一度止まってしまったら長い。
だから家に到着してからのことについて
考え始めることにした。
今日は一日中スーツでいたから疲れた。
家に帰って一人でいるのに
スーツでいる必要はない。
まずは部屋着に着替えることとしよう。
……………。
気づくと青になっていた。
道が空いていたので
クラクションは鳴らされなかったみたいだ。
アクセルを踏み
今や定休日も忘れたコーヒーショップを
ゆっくりと通り過ぎた。
今日も私は仕事をこなし
信号を守り コーヒーショップを過ぎた。
本当に何もない日だ。
それが おかしいのだ。
君を失ってから 光が消えた。
ここまで言うと
“君のせいで 私の人生が狂った”
とでも言うかのようにしか
聞こえないだろう。
そうであったとしたなら謝りたい。
ただ 今の私は
普段の生活に後戻りしただけだ。
何もない日々を。
暗闇を彷徨い続けるだけの日々を。
太陽のない地球では
異様なくらいの寒さが身に染みることに
違いはなかったらしい。
20歳_15
20歳 おめでとうございます。
これからの未来が 咲き誇りますように。