チェリー

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3/25/2026, 11:15:56 AM

『好きじゃないのに』
胸の痛むラブストーリー

 私には、好きな人がいる。
でも、私が好きな人と、詩暢ちゃんの好きな人は同じ。
私が、彼を好きになる前から詩暢ちゃんは好きになっていたらしい。
詩暢ちゃんには、私も彼が好きだということは伝えていない。
でも、だんだんむなしくなってきている。
彼には、仲の良い男友達がいるみたいで、詩暢ちゃん達は、私を除く3人グループでいつも行動している。
私は1人…。
 彼と詩暢ちゃんは、楽しそうに話している。
私は、そんなところを見るのがつらい。
それでも私は、彼を目で追ってしまう。
だから、いっそ告白してきりをつけることにした。

 「あの…。好きです。」
『…』
私は、彼が何か言おうとしたときに、走って逃げた。
 これで完璧。
 彼は、どうせ詩暢ちゃんのことが好きなの。
 どうせ今からフラれる。
 それだったら逃げたほうが私のためになる。
 これでもう彼を目で追うことはなくなる。
 これでもう詩暢ちゃんを嫉妬することはなくなる。
 今日から彼は、好きな人じゃなくなる。
 ただのクラスメイト。
と、階段を駆け降りると私は躓いた。
「あ!」
落ちる。もう終わった。
そう思った時!!
『おい、気おつけろよ。』
私を抱きとめてくれた人がいた。
その声は、彼だった。
私のクラスメイトの…。
『…さっきの返事、お前聞いてないだろ。
俺の気持ちは…。』

 私は、彼の気持ちを聞いて涙があふれた。
抑えられないほどたくさん。
彼はそんな私を静かに見守ってくれた。
 なんでだろう。嬉しくないのに。別に好きじゃないのに…。

3/24/2026, 11:02:19 AM

『ところにより雨』
男の子と女の子が巡り会う物語。

 僕の街は、不思議。
ある一定の場所だけに雨が降る。
それは時々起こる。
人のいない場所で…。
みんな、気になってはいるみたいだけど、確かめようとはしない。
理由は、誰も知らない。
だから僕は気になった。
ものすごく、確かめたい!という気持ちに襲われた。
だから、確かめに行った。
今までの情報をたっくさん調べて、集めて、ノートにまとめた。

 「さぁ、出かけるぞ!!」
僕は家を飛び出した。
「えぇっと。雨の降る場所は北の方向…。」
北は、山がたくさんあって、少し怖い。
でもあそこに、時々降る雨の謎が隠されていると分かると、怖いところも、怖くなくなる。

 僕が山を登り始めてから、2時間が経過した。
僕は、お気に入りのカバンに詰め込んだ非常食のお菓子を口に放り込んだ。と、その時だった。
ポツ、ポツ、ポツ―――
雨が降り始めた。
僕は、目の前にある木に登り、望遠鏡で空を見た。
今登っている途中の山周辺は、雨が降っているけど、僕の住んでいる街は青空に包まれていた。
「来た…。この山だ。やったぞー!!!」
僕は大喜びして前を向いた。
そこには「?家かな。」
小さな山小屋があった。
「雨が強くなってきたから、あの山小屋に入れてもらおう。」
僕は山小屋まで走った。

 ギギギ…。
「失礼しまーす。誰かいますか?」
返事はなかった。
家の中は、薄暗く暖かかった。
僕は、気持ちよさそうなソファーに座ろうと、膝を曲げた。
と、『ヒック、ヒック…。はぁ、そろそろ泣き止め、私。雨よ、止め。』
上から、声が聞こえてきた。と、いきなり雨が止んだ。
僕は、ミシミシと音を立てる階段を、ゆっくりと上がった。
そこにいたのは、僕と同じ年くらいの女の子だった。
「…こんにちは。」
『誰!?何故ここに?』
「え、えっと…。実は…。」
僕は、事情を説明した。
「ちなみに君は何故ここにいるの?親はいないの?」
僕は気になっていたことを聞いてみた。
『親は…、はぐれたの。この山で。だから私は、泣いてるの。助けて?街への帰り方が、分からないの。』

 僕は、雨が止むまでこの山小屋に泊まった。
次の日になると、外に出てみた。
昨日までの雨は、まるで嘘だったかのような青空が広がっている。
『準備は出来たよ。』
 僕は、女の子を連れて街まで山を下りた。
話を聞くと、女の子は行方不明になっていたらしい。
ある人は、神隠しだと言った。
ある人は、家出をしたんだと言った。
でも、見つかってよかった。
僕は、雨の謎が分かってスッキリしたし、街の人は、行方不明になっていた女の子が帰って来てよかったと思うはずだ。
 これにて事件解決!!

 この男の子の冒険は、まだまだ続く。
 あなたの想像しだいで。

3/23/2026, 10:59:59 PM

『特別な存在』
心温まる物語。

 僕は目が見えない。
視覚障害者だ。
でも、僕の家に盲導犬がやって来てから、人生が変わった。

 最初は怖かった。
目が見えないから、どんな犬なのか分からないし、どんな動きをするのかも分からない。
でも一人でいるときよりは、マシだった。

 僕は、盲導犬に名前をつけた。
『ボス』。
僕を引っ張ってくれるから、ボスにした。
僕とボスは、毎日楽しく歩いた。
どんなルートを歩いているかは、分からないけど安心して歩けた。

 ボスは、大切な存在。特別な存在。

3/22/2026, 11:05:31 AM

『バカみたい』
そんな事言わないで、あなたはそんなことないよ。って、言ってほしいよね。

 私は、百人一首が好き。クイーンを目指してるの。
私のあだ名は千早。
ところで千早って、知ってる?
ちはやふるの主人公。
私の大好きなキャラクター。
そんなあだ名をつけてもらって、嬉しい気もするけど、少しプレッシャーも感じる。
私の小学校には、百人一首大会がある。
その時『お前は千早だろ。絶対負けんなよ。』と、謎のプレッシャーをかけられる時があるから…。
私には、百人一首のライバルがいた。
その子の名前はもみじ。
もみじちゃんも、クイーンを目指している。
そんな私に、ドキドキする対決が始まる。
小学校の百人一首大会で、対戦することになった。
私は、少し緊張していたけど、もみじちゃんはリラックスしているように見えた。
「…勝てるかな。」
結果、負けた。
しかも、札をほぼほぼ取られた。
『フッ、千早もこんなもんやったんか。楽しくなかったなぁ。もっとレベルアップせんと、私には勝てへんで。』
もみじちゃんはそう言った。
「…もみじちゃん、楽しくなかったんだ…。
今年最後の百人一首大会なのに。」
そう。もみじちゃんは違う中学校に行くから、もう会えない。
だから、最後の百人一首大会は楽しく終わりたかった。

 『千早、ほなまたね。いつかどっかで会えたらええけど。』もみじちゃんはそう言うと歩き出した。
私に背を向けて。
「ま、待って!!もみじちゃん。」
『なんや?』もみじちゃんはふりかえった。
「…また、百人一首一緒にしようね。」
もみじちゃんは笑った。『クイーン戦で待っとる。早よあがってこい。』
そして建物の中に消えていった。
  
 時は流れ、高校生になった。
あれから、もみじちゃんとは会えていない。
でも今日、会える。
だって、クイーン戦に出るから!!!
もみじちゃん、どんな反応するかな?
 
 「もみじちゃん、どこにいるかな?」
『あんた、千早か?』もみじちゃんだ!
「もみじちゃん!!やっぱりいた!やっと会えたね。」
今日は、何故か勝てる気がした。
でもダメだった。

 「…負けた。」
『千早、前と変わっとらんな。』
もみじちゃんは、一言だけ言って帰っていった。
 私、バカみたい。
 もみじちゃんに勝てる気がしたなんて。
 百年早いよ。
 もみじちゃんの、クセが強い京都弁が頭の中で繰り返し流された。

3/21/2026, 12:25:01 PM

『二人ぼっち』
それは、二人だけでいることだと、私は考える―――

 私、いつも一人でいるの。
少し寂しいけど、大丈夫。
私には強い味方がいるから!!
それは、ハムスターのぬいぐるみ。
ハムスターのぬいぐるみは、とてもふわふわで目がくりくりしてる。
しかも手のひらサイズでサイコーに可愛い。
その子の名前はクリン!!
小さい時にテキトーに決めた名前だから、深い意味はないけど、私は気に入っている。
ゲームセンターでゲットした。

 そんなある日、クリンが消えた。
一人でどこかに行くなんてことはありえないから、私がどこかへやったのだろうと、家族は言う。
でも、家の中を一日中探したけどいなかった。
そんなのありえない。だって、外には持っていかないから、おかしい。
でも一応、外も探してみた。

 「いない。どうしよう…。」私は涙を流してしまった。
『あれ、石森さん?どうしたの?』え?山田君…。
ヤバい、泣いてるところ見られたくない!!
私は急いで涙をふいた。
「あ、山田君。実は――」
私は山田君に事情を伝えた。
『そうなんだ。俺も手伝うよ。』
そう言って山田君は手伝ってくれた。

 『…結局見つからなかったね。』
「何か、ごめんね。」私は謝った。
『い、いや別に良いって。』
山田君は言った。
「…今日は、ありがとう。もう、帰っていいよ。家はどこなの?この辺?」
私は帰り道を歩きながら言った。
『俺、い、家がないんだ。』
「え…うそ。ごめん。」
『あ、別にいいんだ。』
私は、少し考えてから言った。「私の家に来て。」

 今、山田君が私の部屋にいる。
今までは普通のクラスメイトだと思っていた。
でもいまの私は、違う目で彼を見ていた。
好きになったかも…。
今私は、一人ぼっちじゃない。

 二人ぼっち

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