永遠に
子どもの頃は
こんな日々がずっと続くと思っていた
なんでもない毎日を送り
友だちと遊んで
帰っては家族と食事を取る
楽しいことがほとんどで
みんな若くて、歳を取らなくて
止まった時間のなかで永遠を生きていく
そんなふうに思っていた
でもやがて気づく
親が歳を取っていくことに
自分がいろいろな壁にぶつかることに
人の命に、限りがあることに
永遠なんてなくて
時は残酷にも進み続けていく
あるのは終わりだけ
終わりだけが永遠
サヨナラダケガ 人生ダ
暗がりのなかで
幼い頃
布団を被った小さな暗闇とか
放課後に遊んで
暗くなった公園の景色とか
大学で飲みに行った帰り
家路に点々と灯る街灯とか
しんみりとして
どこか切ない思い出が
今はなぜか懐かしい
あの頃へ、帰りたいのか
そうでないのか
なんでもない、記憶の欠片
どこまでも続く青い空
遥か時の彼方
悠久とも思える時間の流れ
いつであろうと どこであろうと
見上げれば空は青く
この世界に広がっている
誰であろうと なにであろうと
全てのものは等しく
この空の下に息づいている
時間も 場所も関係はなく
どこまでも どこまでも繋がっていて
一人ではないと 教えてくれる
鋭い眼差し
舞台の上には 一人の男
脇を固めるは 二人のギタリスト
背後には ドラムとベース
男は暗闇のなか 止まぬ歓声を浴び
不敵な笑みを浮かべたまま
マイクスタンドに手をかけた
幕が上がり 光が照らす
歓声は最高潮に達する
男はその鋭い眼光で客席を睥睨し
曲が始まった
愛と死を歌い
舞台に生き 舞台で散った
僕の愛しのロックスター
櫻井敦司よ、永遠に
重低音が BUCK-TICKする
高く高く
伝えたいことがあって
それは風に乗って、海を越え
山々の間を縫い、川の流れに沿って
遠く異国の大地まで
狭くなってしまったこの世界で
本当に大事なことは届き難くて
いつも雑音に掻き消される
届けたい、この言葉は
見上げた夜空より、高く高く
多くの人に、心に
深く静かに、染み渡るように
いつの日か伝わることを願っている
誰もが、幸せになれますように