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11/11/2024, 10:21:02 AM

飛べない翼



君は飛ぶことができない。
俺が閉じ込めてしまったから。

君が悪いんだ。
ふらふらとどこかへ行ってしまうから。


折れた羽を優しく撫でる。
なんでもないことの様に治療を施して、
そしてまたなんでもないことの様に折る。

最初から翼なんてなければよかったのに。

君が眠りから覚める。
何もわかっていない君に、
俺は心配そうな顔をして、優しくして、
君の心を閉じ込める。

11/10/2024, 10:29:52 AM

ススキ


学校からの帰り道。
君が私の少し前を歩いている。

話しかける勇気なんてなくて、追いつかないようにゆっくり歩く。
周りを少し見渡せば、道には落ち葉が沢山。
道路脇にはススキがはえている。

少し立ち止まって、その風景を見ていたら、
君はどこか見えないところに行ってしまった。

11/9/2024, 3:45:48 PM

脳裏


君が私の手を引いて階段を登る。
階段の先にとても幸せな何かがあるらしい。

「     」

君が何を言っているのかが聞き取れない。
でも、とても楽しそう。
私も楽しい。

「     」

何を話しているのかは分からない。
階段の先はもうすぐだ。




ゆめだ


違う。
いやだ。
目覚めたくない。
この先に私は行きたい。
君と一緒に階段を登り切りたい。


君はいつの間にか消えて。
階段は存在せず、
いつもの風景だけがそこにあった。

11/8/2024, 1:04:08 PM

意味がないこと


私は去って行くあなたを見つめ続ける。

言いたかった言葉がある。
言わなければよかった言葉がある。

私はあなたを見つめ続ける。


あなたは一度も振り返らなかった。

11/7/2024, 10:55:44 AM

あなたとわたし


あなたは誰ですか

私は鏡に向かって問いかけた。
返事が返ってくるとは思っていない。
自分が誰なのか。
それをあなたに教えて欲しいのだ。

鏡の向こうのあなたは、少し困った様に眉を下げた。


あなたはわたしですか

鏡に写っている私なのだから、私に決まっている。
そうではないのだ。
そう見えないから聞いている。

鏡の向こうのあなたは、困り顔のままだ。


わたしはあなたになれますか

鏡の中のあなたは一瞬驚いたかの様に目を開き、薄く微笑んだ。

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