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11/13/2024, 10:28:27 AM

また会いましょう


死にゆく人にこの言葉はどうなのだろう。

向こうで待っていて

待っていてなんて言葉で縛り付けるのは酷いのでは。
向こうは向こうで自由に過ごせばいい。


君にかける言葉が見つからない。
白い部屋、白いベッド、横たわる君。
いつもは繋がっている無数の機械は、今はもう一つだけだ。

君の細い手を両手で包む。
君はもう助からない。
知っていた。
君も知っていた。

天国なんてものはない。
来世なんてものもない。
そんな君にかける言葉を探し続けた。

11/12/2024, 12:28:00 PM

スリル


高いところにいる。
一歩進めばストンと落下するだろう。
怖い。

大丈夫だよ。慣れれば楽しいから。
ほら。

君は叫び声を上げながら落ちて行く。
何が楽しいだ。
生きている実感が湧くだ。
怖いものは怖い。

だが後にも引けない。
一歩を踏み出す。

自分を殺す時が来るのならば、今の自分と同じ気持ちかもしれないと思った。

11/11/2024, 10:21:02 AM

飛べない翼



君は飛ぶことができない。
俺が閉じ込めてしまったから。

君が悪いんだ。
ふらふらとどこかへ行ってしまうから。


折れた羽を優しく撫でる。
なんでもないことの様に治療を施して、
そしてまたなんでもないことの様に折る。

最初から翼なんてなければよかったのに。

君が眠りから覚める。
何もわかっていない君に、
俺は心配そうな顔をして、優しくして、
君の心を閉じ込める。

11/10/2024, 10:29:52 AM

ススキ


学校からの帰り道。
君が私の少し前を歩いている。

話しかける勇気なんてなくて、追いつかないようにゆっくり歩く。
周りを少し見渡せば、道には落ち葉が沢山。
道路脇にはススキがはえている。

少し立ち止まって、その風景を見ていたら、
君はどこか見えないところに行ってしまった。

11/9/2024, 3:45:48 PM

脳裏


君が私の手を引いて階段を登る。
階段の先にとても幸せな何かがあるらしい。

「     」

君が何を言っているのかが聞き取れない。
でも、とても楽しそう。
私も楽しい。

「     」

何を話しているのかは分からない。
階段の先はもうすぐだ。




ゆめだ


違う。
いやだ。
目覚めたくない。
この先に私は行きたい。
君と一緒に階段を登り切りたい。


君はいつの間にか消えて。
階段は存在せず、
いつもの風景だけがそこにあった。

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