ルイルイ

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9/6/2024, 3:26:31 PM

緊迫した状況。

今にも逃げ出したくなるような。

喉から得体の知れない何かが
飛び出してしまいそうな。

一瞬でも気を抜けない。
汗が頬を伝い下へと落ちる。

それでも、
相手の先を行くしか
勝機はない。

かちり、かちりと
針の刻む音が脳内で谺する。

互いにその時を、待っている。

どちらかが一寸でも動けば。
その瞬間が、時が再開する合図だ。


───『時を告げる』(2024.09.06.)

9/6/2024, 12:53:08 AM

何も無い、休みの日。
近くの海でよく暇を潰す。

人が多いのは嫌だから、
シーズンから外れた時期。

泳ぐわけでもなく、ただただ歩く。
ときたまちゃぷ、と波を揺らして。

足元を見ると、たくさんの貝殻。
きれいな乳白色。
砂に溶け込む色も、自然で良い。

集めて、家に飾る。
不定期に数が増えていく。

いつしか、室が浜辺になる。


───『貝殻』(2024.09.05.)

9/5/2024, 9:06:50 AM

普段の印象は、ぱっとしないやつ。
交友も、成績も。
ああ、クラスにひとりはいるな、
その程度だった。

あいつを見かけたのは
きょうだいと偶然行った軽音のコンサート。

外見に頓着はないようで
舞台に立つから、程度に整えた姿。

ほぼ普段と変わらない。
違ったのはど真ん中に立ってギターを構えてたこと。

ドラムのカウントで始まる。
その瞬間、観客も沸き立つ。

驚いたんだ。
あんなにも瞳を輝かせて演奏していたから。

真っ昼間の屋外で、
夜に瞬く星のように。

何もかもが、彩やかだった。


───『きらめき』(2024.09.04.)

9/3/2024, 11:46:48 PM

どんなことでも、知りたいと思ってしまう
それはいけないことなのでしょうか

あなたの喜び、哀しみ
はたまた怒り、楽しみ

あなたの一挙一動
一挙手一投足

隅々までも、知りたい
わかってあげたい

傲慢なのはわかっている
自己満足でしかないことも

けれども自分からは
動けないでいる

今日も、あなたの様子を見守るだけ


───『些細なことでも』(2024.09.03.)

9/2/2024, 12:24:33 PM

つめたく、きびしい。
けれど、どこかあたたかい。
それがひとというものなのだろうか。

ぽつり、と。
まわりをほのかにあたためる。
ろうそくの灯のように。

ひとのかずだけ。
こころのともしびはある。


───『心の灯火』(2024.09.02.)

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