緊迫した状況。今にも逃げ出したくなるような。喉から得体の知れない何かが飛び出してしまいそうな。一瞬でも気を抜けない。汗が頬を伝い下へと落ちる。それでも、相手の先を行くしか勝機はない。かちり、かちりと針の刻む音が脳内で谺する。互いにその時を、待っている。どちらかが一寸でも動けば。その瞬間が、時が再開する合図だ。───『時を告げる』(2024.09.06.)
9/6/2024, 3:26:31 PM