普段の印象は、ぱっとしないやつ。
交友も、成績も。
ああ、クラスにひとりはいるな、
その程度だった。
あいつを見かけたのは
きょうだいと偶然行った軽音のコンサート。
外見に頓着はないようで
舞台に立つから、程度に整えた姿。
ほぼ普段と変わらない。
違ったのはど真ん中に立ってギターを構えてたこと。
ドラムのカウントで始まる。
その瞬間、観客も沸き立つ。
驚いたんだ。
あんなにも瞳を輝かせて演奏していたから。
真っ昼間の屋外で、
夜に瞬く星のように。
何もかもが、彩やかだった。
───『きらめき』(2024.09.04.)
9/5/2024, 9:06:50 AM