#これまでずっと
これまでずっと我慢してきた。
親が友達なんか要らないと言ったから、友達は居ない。
お菓子もカップラーメンも他にも色々。
親がダメだと言ったから我慢、我慢、我慢。
なんで僕だけこんなに我慢しなきゃいけないの?
ねぇ、お義父さん、お義母さん。
あなた達が事切れる前に教えてよ。
#1件のLINE
また一緒に行こうね!
君からのLINEはこれが最後。
あれからもう1年が経つよ。
早く目覚めて、眠り姫。
#目が覚めると
目が覚めるとそこは知らない天井だった。みたいな導入から始まる物語、結構あるけど僕あれそんな好きじゃないんだよね。
そう言った彼はつまらなそうに口を尖らせていた。
どうして?と私が問うと、
だってさぁ、――――――じゃん?
そこで目が覚めた。
あの時彼はなんと言っていたんだったか。
もう一度同じ夢を見られれば、分かるだろうか。
そして私は再び眠るため、枕元の睡眠薬に手を伸ばした。
#私の当たり前
私にとって、誰かに暴言を吐かれることは当たり前。
幼い頃からそうだった。
親兄弟に友達もどき、先生に先輩、後輩。
毎日毎日心無い言葉を投げつけられて悲しかった、苦しかった、辛かった。
そして私は自分の心を守るために、心を動かさなくなった。
何を言われても無表情。そうしたらもっと心無い言葉を吐かれたけれど、私は何も感じない。
感じない、はずだった。
貴方に出逢うまでは。
貴方が私の心を溶かしたから、溶かしてしまったから、また私は心が動くようになった。
それと同時に心の柔らかいところに、暴言という矢が何本も突き刺さってくる。
だけど、貴方がそんな矢を抜いて、手当をしてくれるから、また笑えるようになったの。
心無い言葉は今でも嫌い。痛くて痛くて堪らない。
だけど貴方が横に居てくれるなら、そんな痛みにも耐えられる。
だから、私から離れて行かないでね。
そう言った彼女の瞳は暗く淀んでいた。
#街の明かり
午前2時
この時間になると街の明かりは、住宅街でまだらに点いている光か、道にぽつりぽつりと立つ街頭、はたまた24時間営業の店や自動販売機。
この時間はなんだかワクワクする。
子供の頃には出来なかった、深夜に外に出るという行為。
それを大人になった今なら存分に味わえる。
さぁ、今日はどこへ向かおうか。