川柳えむ

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1/5/2026, 9:38:16 AM

 幸せとか、そんなものは知らないし、必要もないと思っていた。

 ずっと独りでいた。孤独が好きだと思っていたから。
 誰かと一緒なんて、鬱陶しくて、面倒臭い。そして、そんなものを敢えて好む奴とか。
 俺には理解なんて出来なかった。

 ある晴れた日だったと思う。
 誰かが、隣に座った。楽しそうに、話し掛けてきた。

 誰だよ。こんな風に話し掛けてきて。
 俺は、望んでいないのに。

「怖いの?」

 唐突にそいつが言う。俺を見て、微笑んで。

 怖い?
 何が怖い? 何で怖い?
 俺が何を恐れているって言うんだ。

「本当は、独りが怖いくせに」

 ――違う。

 俺の戸惑いなと気にせず、そいつはそのまま続ける。

「いつか訪れる別れを恐れているんでしょ? 最初から出逢わない方がいいって。そう思っているんでしょ? だから、独りがいいって思い込んでいる」

 ――恐れ?

 一緒にいる事で、人の温もりを知ってしまって。
 でも、いつか必ずやって来る別れを。
 俺は――。

 ――いや、本当は知っていた。
 本当は孤独が好きなんかじゃなくて、本当は孤独を恐れていた。
 だからこそ、敢えて孤独でいたんだ。

「恐れる必要はないよ。別れの代わりに、また、新たな出逢いが待っている筈だから。今、この時のように」

 そしてそれから。
 孤独が好きじゃない俺の隣に、幸せを知らなかった俺の隣に。
 そいつはずっと変わらず、座っている。

 孤独の代わりに幸せを運んできてくれた。
 幸せとは何かを教えてくれた。


『幸せとは』

1/4/2026, 6:55:35 AM

 星が少なくなった夜空を見上げる。
 いくら今年のしぶんぎ座流星群の極大が朝方6時頃とはいえ、起きるのが遅過ぎた。そりゃ空も白み始める。
 それでも今年は多かったのか、はたまた運が良かったのか。
 このギリギリの空でも流れ星を観測することができた。
 できればもう一つ、あと一つ、と。欲張るうちに夜は明け、太陽が顔を覗かせた。日の出だ。
 そういえば、日が出る瞬間をまだ今年は拝んでいなかったな。私にとっての初日の出だ。
 今年もよろしくお願いします。


『日の出』

1/3/2026, 3:49:13 AM

「年が明けたな。今年の抱負は?」
「そうだなぁ……」
 顎に手を当てて少し考える。
「まぁ……生き延びる。かな……?」
「おいおいやめろよ、そういうの」
「そうは言っても、切実な思いで強い決意だ」
「でもそう言うのって――所謂死亡フラグだぞ?」
 すぐ隣に手榴弾が投げ込まれ爆破した。
 命からがら逃げ出して、なんとか今日も生き延びた。
「今年どころか、今日を生き延びるのだって必死だよ」
 戦場のど真ん中で呟く。
 来年のことを言えば鬼が笑うって言うけど、来年まで生き延びられていたら、それは奇跡だ。
 だから、今年の抱負は、生き延びる。これからもずっと、こんな日々が終わるまで心に抱き続ける願いだ。


『今年の抱負』

1/2/2026, 1:58:14 AM

新年あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします

 そこで筆が止まる。
 これ以上何を書けばいいんだ~!?
 だから年賀状は嫌いなんだ! もう書くことなんてないよ! 特に職場の人なんて、社交辞令しかないじゃん。
 もう書きたくない……。そうか、流行りの年賀状じまいをすればいいのか。「終わりにします」って書くか。……いいのかな? 急にそんなこと書いても。
 結局悩みに悩んで、また年末ギリギリになって、無難なことだけ書いて投函する。毎年の繰り返し。
 そして年が明けて、出してなかった人から年賀状が届いて、慌てて追加で書くまでがセット。


『新年』

12/31/2025, 7:48:54 PM

 カウントダウンが始まる。
 隣にいる君に声を掛ける。「良いお年を!」
 そして「ゼロ!」の合図と共に年が変わる。
 続けて僕は言う。「あけましておめでとう! 今年もよろしくね」


『良いお年を』

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