一目惚れだった。
花に囲まれた君は大層美しかった。
だから、君を手に入れたかった。
君の為なら何でもできると思った。
花が綻ぶように笑う君が見たかった。
君は私を見て怯えたように言った。
「化け物」
君は美しく笑う人で、いつも幸福でなければならなかった。
そんな言葉を吐き出す君は、君じゃない。
物言わぬ塊になっても、君は美しかった。
そうして私は、ようやく君を手に入れた。
『愛する、それ故に』
「あぁぁぁぁ…………っ!」
思わず叫んでいた。
こんな、悲しい、苦しいことがあってたまるかと。
涙が溢れ、止まらない。
「図書館では静かに」
司書に怒られた。
でもしょうがないじゃない。
この物語、本当に泣けるんだもん。
『静寂の中心で』
燃えるような紅葉にテンションが上がり、それを背景に写真を撮る。
それをSNSにアップすると、すぐさまいいねやコメントが付いた。
『綺麗ですね〜』
『紅葉よりも○○ちゃんが綺麗』
『私も行ってみたい!』
それと同時にアンチコメントも湧いてくる。
『自分見せたいだけじゃん』
『承認欲求の塊』
『見に行けない人のことも考えてください』
あ~楽しい。
『嫉妬かわいそ』
『見苦しい』
そしてコメント欄でレスバが始まる。
それをニコニコと見ている。
コメント欄もたくさん燃えて、今日も綺麗に紅葉が咲き誇る。
『燃える葉』
月が綺麗で、君を思い浮かべながら眺めていた。
優しい光が、僕を包み込む。それはまるで君のようだなと思って。
ねぇ、君は今どうしているかな?
君のことを考えるだけで、僕は幸せだよ。
上手く写らないけど、写真を撮って、君に送った。「月が綺麗ですね」って。
『moonlight』
今日だけ許して。また明日から頑張るから。
そう思いながら。
食べる。食べる。たくさん食べる。
もうそれは満腹を超えるくらいに。
嫌だ。
もう食べたくないよ。無理に食べさせないで。
今日だけでも、どうか許して。
『今日だけ許して』