朝、登校してすぐに、ここがパラレルワールドなんだと確信した。
なぜなら昨日まで最悪に仲が悪かった二人が今日は友達になっているし、長いこと病気で休んでいた友人が登校している。さらに、幼馴染に至っては性別が逆転していた。
「どういうことなんだよ……」
俺の呟きに、仲良くなっている二人が答えた。
「え? 俺らのこと言ってる? いやー昨日までは最悪だと思ってたんだけど、たまたま好きなものが被っててな」
「話してみたらすごく気があって!」
昨日までは一触即発の雰囲気だったのに、それが嘘のように仲が良い。え? これがたまたま仲良くなっただけなの? パラレルワールドじゃなく?
「僕のことなら、奇跡的に病気が回復したんだよ。お医者様もびっくりしてた」
え? 奇跡的に!? パラレルワールドじゃなく!? いや、治ったならすごく嬉しいが。
でも、幼馴染の性別については説明できない。昨日まで男だった奴が、急に女になるわけがない。性転換でもしたというのか?
「あのー……もしかして、そんな気がしてたんだけど……俺のこと、男だと思ってた? たしかにこれまでずっとパンツスタイルでいたけど、俺、れっきとした女なんだけど……」
マジで言ってる? パラレルワールドじゃないなら……ドッキリじゃなく?
「じゃあなんでいきなりスカート履いてきたんだよ……」
しどろもどろになりながら、出てきた言葉がこれ。
幼馴染が顔を赤らめた。
「……だって、そうでもしなきゃ、俺のこと女だって意識してくれないって思ったから……」
え? 何これ、どういうこと?
たしかに幼馴染はかわいい顔してるけど、でもいきなり。昨日まで男だと思っていたから、困惑している。
幼馴染がくっついてくる。かわいいな、おい!
まぁここがパラレルワールドだろうが、パラレルワールドじゃなかろうが、どっちでもいいか。
みんなが幸せそうにしてるなら、ついでに俺も幸せなら、それで。
『パラレルワールド』
時計の長針が0の目盛に重なって、時を告げる鐘が鳴り響いた。
あ、あぶねーっ……!!
あと数分でお題が変わるところだった。
ギリギリで投稿してないことを思い出して、慌てて書き綴った。
本当にギリギリ。滑り込みセーフ。
良くないねー。本当に良くない、こういうの。
シンデレラもギリギリまでいたから……あ、ギリギリまでいたから、慌ててガラスの靴を落として、そのおかげで見つけてもらえて幸せになったんだった。
じゃあギリギリも悪くない?
でも夏休みの宿題とか、ギリギリまでやらずに後悔したことなんていっぱいある。
やっぱり余裕を持ってやるに越したことはない。
これからはもっと気を付けます、ハイ。
『時計の針が重なって』
泣いている君に手を差し伸べた。
「僕と一緒に遊ぼうよ」
そんな深い意味はなかった。ただ、泣いていてかわいそうだと思った。つまらないんだと思った。だから、楽しく遊びたいと思った。ただそれだけ……。
僕は今、あの頃の僕を止めたくてしょうがない。
中途半端な優しさは良くないって、あの頃の僕は知らなかった。
そして僕は今日も君の影に怯えながら過ごしている。
『僕と一緒に』
ようやく空気が秋めいてきて、風も涼しくなってきた。曇りになると少し寒い。
今日は晴れてくれても良かったのにと、空を見上げる。
まぁでも暑いよりはいいかと、二人で歩き出した。
それに、少し寒い方が、君の温かい手を繋ぎやすいしね。
『cloudy』
私は、あの世とこの世を繋ぐ、虹の架け橋を作る職人。
人口も増えたことで、虹の架け橋の出番も増えた。なので、現在増設中だ。
「○丁目の橋が古くて崩れかけているそうです」
壊れた橋の修復も仕事の一つだ。
みんなが安心安全にあの世に渡る。その為に、今日も働く。
「そら、直ったよ」
橋を直して、待っていた子供に先へ進むよう促す。
こんなところで、子供を見るのは、あまり好きではない。でも、せめて次はもっと長く幸せになれるようにと、そんな気持ちで橋を渡らせる。
「おじさん、ありがとー」
みんなが笑顔で逝ってくれたら、それだけで救われる。
私は今日も働き続ける。
『虹の架け橋🌈』