生まれた時からずっと一緒だった。
そしてきっとどこまでも一緒なんだと、疑わなかった。
だからこれからも、変わらずずっと一緒にいるよ。
新しい地に、また変わらず君と二人で。
『君と飛び立つ』
きっと忘れない。
そう思っていても、人間は忘れていく生き物。
楽しい記憶だって、辛い記憶だって、いつかは消えてなくなる。
だからこそ、生きていけるのかもしれない。
そう。忘れるから、生きていけるんだ。
棚の上に飾られた、幸せそうに笑う最愛の人達の姿を見て、ロープを首にかけた。
『きっと忘れない』
「なぜ泣くの?」
怪訝な顔で彼が訊ねる。
だから、私は答えた。
「てめぇが毎回マウント取ってこっちの自尊心傷付けまくってくるからだろうがぁー!!!!!!!!」
ついでに思い切り殴っておいた。
『なぜ泣くの?と聞かれたから』
どこからか足音が響いてくる。
コツコツ……と、離れているが、確実に。
幽霊が出ると噂の廃墟。
話の種にと、深夜一人でやって来た。
そう。一人しかいないはずなのに、明らかに自分以外の足音がしている。
――まずいだろ、これ。
ダッシュでその場から逃げ出す。
逃げて逃げて、しかし、とうとう目の前にそいつが現れた!
人だ。
「あれ、あなたも忍び込んだんですか?」
どうやら、自分以外にも同じことをやっている人間がいたようだ。
驚かせやがって。
でも、そうだよな。そもそも足音がしているんだから、幽霊なわけがない。幽霊には足がないって相場が決まっている。
「でも、おかしいな。僕以外の足音はしなかったのに」
そいつが言う。
それから、こちらの姿をよく見て――二人して悲鳴を上げた。
『足音』
夏休み最終日。
やだなぁ……終わってほしくないよ……。ずっと夏休みでいいよ……。
宿題だって終わってないし。
外はまだこんなにも暑い。こんな暑さで外にで出たら倒れちゃうよ。
ねぇ、せめてあと一日でもいい。夏休み延長しない?
あー夏休み終わりませんように終わりませんように終わりませんように終わりませんように。
神様願いを叶えてください!
そんなことを願ってどれくらい経っただろう。
神様は願いを見事叶えてくれた。
そして、僕は8月31日の世界に閉じ込められた。
繰り返される変わらない毎日。
最初は神様が助けてくれたんだって、頑張って宿題だって終わらせた。
けれど、終わらせた宿題も、寝て目覚めれば元通り。また真っ白になっていた。そして僕の頭の中も、わけがわからず真っ白だ。
それでも最初は楽しかった。純粋に喜んでいた。
でも、どんどん不安になっていく。毎日が、つまらなくなっていく。
一体、どうやったらこの世界から抜け出せるのか。
新しく、終わらない夏休みの宿題ができた。
『終わらない夏』