川柳えむ

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6/16/2024, 4:27:55 PM

 今から約1年前、この『書く習慣』アプリを始めた。
 元々趣味で物語を書いていたが、忙しさに追われて最近はめっきり書くことも減っていた。随分昔に始めた個人サイトなるものも、今や倉庫と化している。いや、今でもたまにはちゃんとアップしているが……。
 このままで良いわけがない。私は自分の世界を終わらせたくない。物語を少しでもいいから書きたい。
 そんな時にこのアプリを見かけ、始めた。毎日お題が出て、それに沿った文章を書くというものだ。
 とにかく1年。せめて1ヶ月だけでもいいから休まず続けたい。
 そんな目標を掲げ、投稿を始めた。
 気軽なもので、誰かと繋がる必要もない。ひっそりとお気に入りに入れて、好きだと感じたお話に♡を飛ばす。簡単に応援ができる。このシンプルな構造も良かった。お題にあわせて考えた物語を、名前も知らない誰かが純粋な気持ちで♡を飛ばしてくれる。嬉しかった。ありがたかった。
 こうやっていろんな人に♡を貰って、モチベーションを維持できた。毎日毎日書き続けた。たまに思い浮かばない日もあったけど、誰かの物語に刺激を受け、自分もと、なんとか物語を書き上げた。
 そうして1年近く、ほとんど休まずに続けてきた(つい先日も書き忘れて2日分一気に書いたけど……)。お題は基本366個、つまり1年分あるらしく、もうすぐお題が1周する。あと半月ほどだ。
 そこで、たぶん、自分の更新は終わる。同じお題で書き続けるのもつまらないし、最初の目標を一応達成できれば充分だから。少し寂しい気持ちはあるけど。
 その後はどうしようか。サイトの更新に戻るのが1番だけど、毎日はさすがに厳しいしな。でもまた何か新しく続けたい気はする。
 もしかしたら、別のお題が出る場所で、新しく投稿を始めるのかもしれない。
 もしそうなって、そこでもう1度見かけたとしたら、また、是非よろしくお願いします。その前に、あと少しの間も、よろしくお願いします。


『1年前』

6/15/2024, 9:30:15 PM

 雨が降りそうで降らない。
 泣きたくても泣けない。
 どんよりと曇った空は、私の心を現しているようだった。


『あいまいな空』



 泣きたい。
 二回目である。こうやって、投稿を忘れてしまったのは。
 でも、一回お題は見ていたのだ。その時思い浮かばす、後回しにしてしまったのが良くなかった。忙しくてそのまま忘れてしまった。

 後回しにするのは良くない。
 思い浮かばなかったら本を読もう。好きな本を読むと、わくわくする。本の世界の情景が、色鮮やかに浮かんでくる。影響されて、自分も書きたくなる。頭に文章が浮かんでくる。

 そうしてまた次から、忘れずに自分も書こう。自分なりの物語を。


『好きな本』

6/13/2024, 10:39:14 PM

 じめじめどんよりした日々の中で、その色だけが綺麗に輝いていた。
「その色、綺麗だね」と言ったら、君は嬉しそうに「でしょー?」と言った。
 髪を青紫に染めていた。どうやら、あじさいをイメージしたらしい。
 暗い雨の中でも美しく咲く花。君にぴったりだね。
 でも、何色でも綺麗だって思ってしまうんだけどね。


『あじさい』

6/12/2024, 10:32:55 PM

 やだやだ! ピーマン嫌い! だから食べない! ゴミ箱に捨てるんだ!
 勉強も嫌い! 算数のドリルなんかぐちゃぐちゃにして、これもポイ!
 やだ! このおもちゃ飽きた! ゲーム買って! やだやだ! こんなおもちゃ壊してやる!
 お願い聞いてくれないママなんて嫌い! いなくなっちゃえ!

 …………ママがいない。どこ行ったの! 
やだ。ママがいなくなっちゃやだ! もうわがまま言わないから!
 涙が止まらないよ。

「どうしたの? 買い物行ってただけよ」
 ドアが開いて、ママが帰ってきた。良かった〜。
 やっぱりママのこと、大好きだよ!


『好き嫌い』

6/11/2024, 10:34:41 PM

 元々は小さな町だった。私はその小さな町で町長をしていた。
 住民は「いつもありがとう」と、作った米や野菜を差し入れてくれたりしていた。とてもいい町だった。
 でも、人が少なかった。若者はどんどん都会へ出てしまう。このままではこの町がなくなってしまうかもしれない……。
 私は手始めに大型商業施設を建設した。有名なお店や映画館も入っている。
 若者はそこに集まって遊ぶようになり、大人達もみんなそこで買い物をするようになった。
 次に新しく観光地を作った。多くの人が楽しめるような、次世代型の施設。観光客も増えてきた。
 そんな形で、いろいろな物を作り、新しくしていくと、少しずつ外からも人が入るようになった。これで町はなくならないだろう。
 ただ、昔からあった商店街は、新しいものに客を奪われ、廃れていった。
 気付けば、小さな町は大きな街になっていた。私の懐も潤っていた。
 でも、もう誰も自分のところで作った米や野菜を差し入れたりはしない。
 私が好きだった小さな町は、もうなくなっていたのだ。


『街』

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