「死にたい」
僕がそう言うと、そいつは「死んだところで無駄だけどね」と言った。
「死んだところで、また新しい人生が始まるだけだよ。おまえの言う『死にたい』は『消えたい』だろ」
死にたい。
そしてそのまま魂ごと消えたい。
そいつが言うには、魂はまた巡って新しい命になるという。
「輪廻転生? 信じてるの?」
「輪廻転生はあるよ」
言い切る。
まるでそれを真実だと知っているかのように。
「魂はまた生まれ変わる。旅は終わらない。死んだところでまた同じような人生が始まるだけ。死んだって、俺はおまえをまた必ず見つけ出す」
だから、今の人生から逃げても無駄だと言うのか。
死んだところで何も変わらない。どこにも逃げられない。
「そうかぁ……」
僕は泣きながら笑った。
『終わりなき旅』
全く感情の籠もっていない謝罪の言葉が車内に響き渡る。
『お急ぎのところお客様には大変ご迷惑をお掛け致します』
『電車が遅れましたことをお詫び申し上げます』
朝から遅延のアナウンス。最近はそれすらないことも増えているが。
ほぼ毎日遅延する電車。時間が守れないならダイヤにもっと余裕を持たせればいいのに。
イライラが治まらない。
「ごめん」で済んだら警察いらないって子供の頃言われなかった?
また流れる無機質なアナウンスに心の中で舌打ちをする。
揺れる満員電車。ぎゅうぎゅうに押し潰され、吐き気まで催してきた。
気持ち悪い。
きっと、最初からそういうもんだって。日本の電車も時間なんか守れないんだって。前後10分は見ておかないといけないんだって、自分で気を付ければいいんだけどね。
あーもう。
『「ごめんね」』
文章投稿アプリに表示された『半袖』というお題に、もうさすがに七分袖から半袖にする時季なのかなぁと思ったので、今日から半袖にします。
『半袖』と君が言ったから今日は半袖記念日。
『半袖』
これは実体験なんですけど。
私は猫が好きです。
それで、その日は生まれて初めて猫カフェに行ってみたんです。
わくわくしながら猫カフェに入ると、そこにはたくさんの猫がいました。当たり前ですけど。
たくさんの猫がお出迎えしてくれて、はぁ〜もうここに住む〜ってくらい幸せだと思ったんですね。しばらく猫に触れ合っていませんでしたし。
しかし、その次の瞬間です。正確には、入って少ししたら徐々にって感じでしたが。
目が痒い。くしゃみが止まらない。
そうです。猫アレルギーです。
そういえば、猫アレルギーを持っていたことを忘れていました。実家には猫がいるんですが、たまにアレルギー症状が出るくらいで、そんなに酷くなかったんですよね。まぁ医者には今の猫がいなくなったらもう飼わないように言われましたが(でも飼ってる)。
実家とは違い、狭い空間にたくさんの猫。そりゃアレルギーが出ないわけありません。
猫に囲まれて最高に天国! からの猫アレルギーで地獄! 天国と地獄とは正にこのこと! そう思いましたね。
猫アレルギーの人、猫カフェに行くなら、死ぬ覚悟で行ってください。冗談じゃなくてね。お気を付けて。
『天国と地獄』
僕は夜しか生きられなかった。日の光は、僕の体を蝕む悪いものだった。
毎日みんな寝静まった頃に起き出して、空を見上げる。
そこには大体いつも、寂しそうな月がいた。
たくさんの星に囲まれていても、月は僕と同じような孤独を感じているように思えた。
だから、僕はお願いした。
月≪君≫に向かって。
「どうか。お友達になってください」
って。
『月に願いを』