冬になったら君に会える。
本当はどんな季節でも会えればいいのに。仕方ない。君は暑いのが苦手だからね。冬に会えるだけでも本当に嬉しいんだ。
でもやっぱり、お別れの時はいつも悲しい。次会えるのはどれくらい先なんだろうって。
だからこそ、それだけ楽しみにしている。冬に君と会って、君と楽しく遊んで。その思い出をずっと胸に抱えて過ごしていた。
冬しかやって来ない君。もうすぐ会える。今年もまた君の美しい姿を見られることを楽しみにしている。
きらきらと舞い散る雪。
冬になったら会える。もうすぐだ。空に舞う君の姿をずっと待っている。
『冬になったら』
こうやって、君の隣にいられるのはあとどれくらいだろうか?
限りある時の中で僕らが出逢えた奇跡を噛み締める。
知っている。どれだけ今一緒にいたとしても、いつかは必ず離れ離れになることを。
そうやって、何度も何度も繰り返してきた。君と出逢い、離れて。また君と出逢うまで何度も何度も。
君は覚えていないだろうが、僕はずっと君を待っていた。
そしてきっと、また離れ離れになっても、何度でも君を探すだろう。出逢えるまで、いつまでも待ち続けるだろう。
でも、またその時が来るまで。今の幸せを精一杯噛み締めて生きていく。
『はなればなれ』
「おいで。かわいいかわいい子猫ちゃん」
歯の浮くような台詞。
普通、素面だったら絶対に言えない。いや、素面じゃなくても言わない。ナンパ男だってそんなこと言うような奴はいない。
我ながら気持ち悪いなと思う。
でも、思わず出てしまった。それだけかわいいと思っているし、傍に来てほしい。
いや、君を形容するのには、かわいいという言葉だけじゃ足りない。宇宙一素敵で、何よりも大切な君。
手を伸ばす。君に触れ、頭を優しく撫でる。
すると、君はゴロゴロと喉を鳴らしながら、僕の膝の上に乗ってきた。
はー……かわいい……!
最近やって来たうちの子猫は超かわいい。いや、大きくなっても間違いなくかわいい。世界一、宇宙一だ。うちの猫かわいー!!
『子猫』
つむじ風が巻き起こり、木の葉が舞い上がる。
高く青い空と少し冷えた風が、秋が来たことを教えてくれる。
あぁやっと秋が来たか。今年の夏は長かったなぁ。それでいて本当に暑かった。
ようやく色付き始めた木々を見渡す。
その木の間で、また新しいつむじ風が生まれていた。
そのつむじ風の中心に、一人の少年とも少女とも見分けのつかない子供が立っていた。
あれ、いつの間に。この子も紅葉を見に来たのかな?
そんなことを思いながら、なんとなくその子のことを見ていた。
そして気付いた。不思議なことに、その子が歩くたびにつむじ風が巻き起こっている。舞い上がる色とりどりの木の葉を見て楽しそうに笑っている。
視線を感じたのか、その子が振り返った。
「しまった!」というような、そんな表情を浮かべた次の瞬間、その子は巻き上がったつむじ風に飲み込まれるように消えてしまった。
――え?
何が起きたかわからず、ただ呆然とその光景を見ていた。
そして、冬がやって来た。
あっという間に冬になったのって、自分のせいじゃないよね?
『秋風』
あなたとはここで出会った。
この広いインターネットの海の中で。
海の中の出会いは、簡単に泡になって消えてしまう。繋がる糸はすぐに切れてしまう。
待っていても帰ってくるかわからない。……待ってくれていても帰れるかはわからない。
でも出会いなんて、そんなものなのかもしれない。
一期一会。
だからこそ、この瞬間を大切に。
感じた想いをタップにこめて、あなたに♡を届けよう。あなたがここからいなくなってしまうまで。
そしていつかどこかで見かけたら、またいっぱいの♡を渡すよ。
『また会いましょう』