「次に目が合ったら告白しよう。」
少年はそう考えていた。
少女は目を反らした。
少年は目を伏せた。
少年は諦めた。
「次に目が合ったら告白しよう。」
少女はそう考えていた。
少年は目を伏せた。
少女は諦めた。
すれ
違う
瞳
完劇
青い男と
青い女
二人はまだ
青かった
店頭に並んだ
熟れる前の二本のバナナのような
未熟だった
未完だった
でもね、
青も塗り重ねれば
限りなく黒に近くなる
黒に染まる
だからいまは、
青いままでいい
青のままがいい
いつか青くなくなる
その日まで
青い 終
い 劇
甘い記憶?
苦い過去?
そういうのは全部自分が引き連れてくるもんだ。
自分の中になければ、それはない。
誰かを嫌だと思ったり、あいつ嫌いと思ったりすることもない。
それらはすべて自分の意識が投影させて見せている現実さ。
君の中になければ、現実にも投影されない。
君が悟りの境地に達すれば、
この世は永遠の無常のパラダイスさ。
さぁ、好きにやれよ。
好きに生きれよ。
小さいことは気にするな。
いや、いずれ気にならなくなる。
大丈夫。
おまえはもっと大きい。
おまえの魂を解放してやれ。
sweet
memories
完
風 と 風邪、
にはたぶん相関関係があって、
風に邪がついて=風邪になるんだね。
つまり、いい風に吹かれると風邪引かない。
悪い風に吹かれると風邪を引く。
例えるなら、
草原のそよ風と、工業地帯の工場の排風、
の違い、のような。
そして、たとえ悪い風でも風邪引かないのが免疫というわけだね。
……
……今日はヨーグルト、食べよう(乳酸菌)
風
と 完
劇
「それは極めて不規則な動きだった。」
仕事が終わり、
玄関を開け、
靴を脱ぎ、
ベッドに寝転がる。
たったそれだけのはずなのに、
ベッドに着いた頃、
私は息を切らしていた。
はぁはぁ…
ゼェゼェ…
私の部屋は、
足を置けるポイントが限られていた。
まるでツイスターゲームだ。
他はペットボトルやティッシュやレジ袋、etc…が散乱していて
目も当てられない。
なぜかって?
恋人が片付けられない人だからだ。
私?
数日前に腕を怪我してしまって、今は片付けられないのだ。
無理に片付けようとすると、
痛くて「ぎゃぴぃ!!」ってなる。
玄関からベッドまでの道のりは、
まるで登山かアスレチックでもしてるかのようだ。
部屋でこんな大股開きすること、ある?
動線はぐちゃぐちゃだ。
自分が歩んだ軌跡を線で結んだら、変な幾何学模様ができそうだ。
でも、坂の上に住んでいる人の方が長生きすると聞いたことがある。
運動になるからだそうだ。
じゃあ、この一見無駄に思えるこの動きも、
長生きに貢献しているのだろうか。
そう思うと、苛立っていた気持ちも
少しは和らいだのだった。
軌
跡
終
劇