なんか最近元気がない。
力が出ない。
夏なのに。
いや、夏だからか。
全部夏のせいだ。
いや、夏は好きだ。
『それはやりたくないことをやっているからさ』
『本来の君は、力に満ち満ちているんだ』
『力が出ないことをやっているから力が出ないのさ』
『カンタンさ。力が出ることをやればいいのさ』
『君がやりたいことはなんだい』
近未来ロボットアニメイションの銀髪の彼に似た彼の声が聞こえた気がした。
そうなのだ。
楽しいことだけやってたい。
楽しいことだけを積んでいきたい。紡いでいきたい。
やりたいことが日々やらなければならないことに埋もれていって、
本来の私を発揮できていないのだ。
「今日、河原で花火しない?」
LINEが来た。
とりあえず少し元気出た。
『友情』 完
駅の構内ってなんでこんな殺風景なんだ?
乗り換えのふとした通り道なんて、つまんないったらありゃしない
毎日通る道だからもう少し余裕と面白味が欲しいわけよ
なんだそのコンクリート
なんだその壁
なんだその天井
絵画でも飾っとけや
殺風景って名前が主人公のドラマがあったな
殺風景ー殺風景ー
って心の中で歌ってみたところで殺風景は変わらない
それにしても殺風景ってすごい言葉だな
どんな風景だよ
殺風景ー殺風景ー
なんて思っていたら駅の中にも花が咲いていた
花屋があった
花咲いて 完
夏は待ってくれない
夏に喰らいついていけ
今を生きろ
この一瞬を生きろ
今を楽しめ
今をやり尽くせ
今を楽しみ倒せ
今、この一瞬を…
「今」一番欲しいもの 完
道端にボールペンが落ちていた。
実はこの世界を支配しているのはボールペンで、
我々人類はその下僕なのではないだろうか。
ボールペンが地球の支配者で、
我々は支配される側なのではないだろうか。
ボールペンが人類で、
我々こそボールペンなのではないだろうか。
ボールペンを使うのは人類だと思っていたが、
実は人類はボールペンに使われているのではないだろうか。
この世界が仮想現実でないことを証明できないというが、
ボールペンが人類ではないという証明もできないのではないだろうか。
何も確たる証拠がない。
人類の文明たるや、なんたる無力。
そんなことを考え歩いていたら電柱に漫画みたいにぶつかった。
そうか、電柱が人類で、我々が電柱だったかもしれないのだ。
視線の先には 完