雨ニモマケズ、
初めて聞いたとき、どんなきれいごとかと、あきれた
嫌いであるほどに嫉妬して、それはつまり大好きってことだよ
オレはあいつが嫌いだ、俺の父親が、母親が、兄のことが、弟が。幼馴染のあいつが、部活で知り合ったあいつが、隣の席のやつが。
あいつとまた喧嘩した。理由は、…。
もう一回問い直してみよう、そして必ずド正直になるんだ。今死んでも後悔しないほどに。
どうして嫌いなの?
そんなに嫌なら、殺してあげようか?それとも
キミは微笑んでいればいい、そしてこのどうにもならない世の中の渦に巻き込まれていけばいい。
そうして回っていくんだ、この社会というものは。
良かれと思ってやったことが君を傷つけてしまった。
プライドが高い君は、その衝動を抑えることができなかったね。しょうがないよ、人間だから。でなかったら君は人間ではなくなってしまう。
だからこそ思う、殺せる勇気を持ってよ。
そうしたら自分は自分のままでいられる。周りも周りのままでいられる。
そういう人に慣れたらいいなって
邪魔だったのかもしれない
免罪符のようでいて
組織の潤滑油として秩序を保つ規範のうちにある美徳
絆があれば、
絆を信じて、
みんな一緒に。
カーストは存在するし、否定しようもない。
ただ、それは実際に傷にふれることでしか認知できない
ボーダーラインは幾重にも走っている。
その一本一本は好き嫌いが激しい
その繊細さを見誤ると、
もう。
ありがとね、せにきみをみるうしろそで ひかれたきがしてふりむくぼくに
「ありがとね」。背に君を見る後ろ袖引かれた気がして振り向く僕に
あめのみ
メロや、こっちにおいで
クルルと鳴って、ちょこん、膝の上で気持ちよさそうにくつろいでいる。日差し程よく木陰のベンチに腰掛けながら、今日ものんびりと。
キャハハ、しょうちゃんこっち来んなよ~
へへへ、イヤだよ~、待てや〜
とたとたと学校帰り、笑い声に微笑む風が、そっと足元を撫でていく。
今朝は風が穏やかでな、これも秋風なのか。
詩が1つ詠めそうだったんだけどな。
縁側にぬくりゆく日和空の蝉
どうかな、上手く詠めたかな
な~と大きくあくびを1つ。眠そうな目は相変わらず、今日も今日とて。
秋の夜長、冬至ながら。
また目はぼやけてきた、そろそろかもしれんな。
あめのみ
ガララ
まだ起きてない空気感が、僕をひんやりと迎える。
机の中に教科書とノートなんかをきっちり入れて、
背を、やっと、背もたれに預ける。
一人なのは変わらない。
窓縁に朝日が差し込み、起き出す、そしてだんだんと血が回りだすかのようにあたたかさが漂い始める。
一人なのは変わらない。
ただ本を静かに読むわけでもなく、そこに居る。
誰もいなければ、僕が居るという事実もないようなものだ。
ただそうである、そんな景色のように。そしたら楽に息を吸えるのかな。
ただそこにそうであるという何でもない事実が僕をそうさせてくれる。
そうして僕は眠りにつく。
あめのみ