誰かを愛せば平和を求めてしまう。
では、誰も愛さなければずっと平和なのではないか?
そう考えた私は、長年の研究で生み出した兵器を手に取り、外に出た。
外は私の思ったよりも残酷だ。
皆が平和という言葉に惑わされ、自らの為に誰かのために戦っている。
母国のため、家族のため、恋人、友人…沢山の思いを
安心したまえ。私が全てを終わらせよう。
そもそも平和など願わない事が平和というものではないか。愛など
手に持った兵器を使えば、世界はきっと静かになるだろう。
そう言って、私は兵器を空へと打ち上げた。
愛することを忘れなさい。
タイトル:愛と平和
この列車は、どこへ向かっているのだろうか?
私は、なぜこの列車に?
古びた屋敷のような木の匂い。
薄暗い車内。飛び回る蛾のような蟲。
まばらに座る人達。
年齢層は、バラバラで
顔は暗くてよく見えない。
行き先の名前は表示されていない。
代わりに終点という文字だけが配列されている。
そのせいか列車は、一切止まらずに走り続ける。
頭が痛い。
お腹が空いた。
家族は、どこに居るの?
友達は?
みんな、どこ?
私は、なんでここに?
思い出せ。
頭はどんどん痛くなる。
不意に列車の扉が開く。
奇妙にもそこには誰もいない。
気付くと、周りにいたはずの人達も居なくなって
いる。
すると、車内にアナウンスが流れる。
お客様。お忘れ物御座いませんように
お降りください。
目が覚めた。
ここは、病室?
あ、そうか私…
あの時、急いでいてそれで車に…
タイトル:列車に乗って
僕は、キョウチクトウという木が好きだ。
これがどんな木かみんなは知らない。
今日は、彼らを誘ってバーベキューをすることにした。
もちろん。使う木はキョウチクトウ。
僕も彼らも喜んでその木を使う。
あぁ、枯葉も使おう。
木の枝も全部。
たくさん煙を吸ってそれで…。
タイトル:枯葉
夜明け前。
私は、大好きな友人に『さようなら』と言った。
友人は、哀しそうな顔していた。
窓際に見た桜は、美しく花を散らして咲いていた。
次の日、一人の女性が警察に出頭してきた。
大好きな友人は、ちゃんと私をお墓に埋めてくれたかな?
タイトル:今日にさよなら
大好きなおじいちゃん。
いつも病院のベットに居て、外を眺めてるだけ。
僕が行くと、喜んで色んなお話聞かせてくれる。
僕が知らない事を何でも知ってる。
質問したら、絶対答えが返ってくるんだ!
僕のおじいちゃんすごいでしょ!
おじいちゃん。
咳すると苦しそう。
大丈夫?って聞くと、笑顔で大丈夫って言う。
本当に大丈夫なのかな?
お母さんは、おじいちゃんの事が嫌いみたい。
いつも僕が行きたいって言うと、優しいお母さんは怒って、僕を睨んでくる。
だから、こうしてこっそり来てるんだー。
おじいちゃんがね。
お母さんとは喧嘩してから全然合ってないんだって言ってた。
仲直りしないの?って聞くといつも苦笑いして話が終わっちゃう。
ある日、僕ね。
道端にきれいなお花が咲いてたのを見つけたの!
確かこれは、おじいちゃんが好きなお花。
名前はー、えーと、、そう!
『スズラン』!
それでね!おじいちゃんにたくさんプレゼントしたんだ!花束みたいに!
おじいちゃんは、一瞬固まってたけどありがとね って言って、喜んでくれた!
嬉しいなー!
数日後、おじいちゃんは死んじゃった。
タイトル:花束