3/8/2025, 11:31:03 PM
秘密の場所【ホラー注意】
あのね、あのね。
わたしの秘密の場所、
教えてあげる。
君のいちばん近くで、
考えてることもぜんぶわかって、
でも君には見つからなくて、
ふふふ、どこだろうね。
君のこと、なーんでもわかってる。
わたしのこと愛してるよね?
……あれ、愛してない?
いけない子だな。
君の脳内に埋め込んだのに。
わたしを、わたしの考えを埋め込んだのに。
愛してる愛してる愛してる。
さあ、今日も一日わたしのことだけを考えてね。
3/8/2025, 2:32:25 AM
ラララ
「ラララ~」
声が聴こえる。
無邪気な子供とも、
落ち着いた女声とも、
怒りに満ちた男声とも、
例えようのない声が耳元で聴こえる。
耳を塞いでも、
大声で叫んでも、
聴こえる。
これは誰の声?
わからない。
わからないけど、
僕はその声から逃れたくて
走って走って、
気付けばビルの屋上から
3/2/2025, 9:44:51 PM
誰かしら?
誰かしら?
こんな時間に。
誰かしら?
こんな場所に。
誰かしら?
誰かしら?
呼ばれてる?
呼ばれてる?
私が呼ばれてる?
会いたいのなら会ってあげる。
願いごとを叶えてあげる。
ただしあなたの命と引き換えにね。
3/1/2025, 12:37:44 AM
あの日の温もり
君からもらったあの日の温もりを、
私は決して忘れることはないだろう。
名前を、居場所を、衣服をくれた、
私の大切な大切な君。
何度、離れ離れになったって
何度、捨てられたって
私はあなたに会いに行く。
「私はメリーさん。いま、あなたの後ろにいるの」
2/22/2025, 8:23:40 PM
君と見た虹
あの日、君と見た虹を僕は忘れることは無いだろう。
虹の根元にはお宝がある、だなんて君は言って。
二人で探しに行ったっけ。
人のいない空き地に虹の根元はあって。
二人で掘って。
宝を手に入れて。
「まだそんな夢を見てるの?」
誰かの声がする。
「お宝なんて手に入れてないでしょ」
誰かの声がする。
「虹の根元を目指して」
誰かの声がする。
「私は死んだの」
死んだはずの君の声がした。