4/13/2025, 9:16:03 PM
【ひとひら】
ひとひらの花弁が落ちる。
掴もうとするも、指の間からするりと逃げる。
桜の季節がやってきた。
新学期が始まる。
今年の新入生は最後まで学校にいてくれるかな。
それともみんな卒業しちゃうかな。
「みんないっしょがいいなぁ」
一番下の花ちゃんは言う。
そうだね、僕も一緒がいいな。
怪談になってくれるまで、ずっっっと一緒に。
4/4/2025, 9:17:58 PM
桜
「桜って、クローンなんでしょ?」
「正確にはソメイヨシノが、ね」
「みんな同じってこと?」
「中身までは違うんじゃないかな」
「ふーん、そうなんだ。まるで」
「「「僕らみたいだね」」」
4/2/2025, 8:23:07 PM
空に向かって
夜空に向かって手を伸ばす。
けれど星には触れられない。
「おかあさんは星になった」
父はそう教えてくれたのに。
どうして届かないの?
どうして触れないの?
どうして会えないの?
ぼくは二階の窓から手を伸ばし。
そのまま地面へと落ちた。
幸い、下が地面だったため怪我はなかった。
ただ落下中にぼくは見た。
おかあさんの姿を。
今日もぼくは飛ぶ。
街の一番高いところから。
おかあさんに、会いたくて。
4/1/2025, 2:36:42 AM
またね!
「またね!」
遠ざかっていく君の背中。
僕は返事をしなかった。
だって、もう会えないから。
君は生きて、ないから。
「幸せなじじいになれよ」
君は言って、消えた。
3/28/2025, 2:47:31 AM
春爛漫
桜吹雪で、思い出す。
春爛漫な君の笑顔を。
君は怒っているかな。
突然、別れを告げて。
でも仕方がないんだ。
僕には先がないから。
君の幸せだけが、僕の幸せなんだ。
もう二度と会えないけど。
元気でね。