はなればなれ
離れる
放れる
そう全ては君の為
怖くなんかない
寂しくなんかない
これか1番楽な、はなれ方。
別れ方。
「サヨウナラッ」
赤い液体が頬を湿らせた。
たそがれ
誰しも、生きたくないって思うことはある。
僕は、死にたい。
周りの人からの期待とか悪口とか……。
親には分かんないよね。
全て「大丈夫だよ!」でしめくくられる。
自分勝手な綺麗ごとを押し付けんなよ。って、
相談してね、って言われるから相談したら、
返ってくる言葉はいつも綺麗ごと。
だから、相談なんか意味がないんだ。
まだ溜め込んでた方がマシだよ。
それで自殺する人が多いんだろうけど。
僕は根っこからのポジティブで。
こーゆーの考えてて、「本当にポジティブ?」って疑問に思う『本当』のポジティブさんもいるだろうけどね~。
僕は褒められたら、その人をすぐ信用して、
裏切られたらすぐその人が嫌いになる、熱しやすく冷めやすい……つまり、利用しやすい人間。
何度裏切られても、後から少し優しくされればすぐ信用する。
だから裏切られた回数が凄いことになってるよ……。
それでも、心の底でどこかまだ信じてる。
僕を裏切った沢山の人が好きで、
その人たちからは『扱いやすい人間』とされている。
でも、諦めれない。
そして、本気で人を好きになった。
たぶん、その人は僕のこと嫌いだろうけど。
たそがれ時、僕はため息をついた。
「親からのあんな綺麗事ですら、」
ちょい切ります(おい)
通り雨。
✘✘を例える言葉で、こんなに相応しいと思ったことはない。
“通り雨”。
突然降って、すぐにやむ。
もちろん、突然振って、すぐに病む。という意味ではない。
変な勘違いをしないでくれたまえ。
...おっと、茶番が気に入らなかったようだ。
✘✘が嫌そうな顔をしていたので、茶番は置いておく。
✘✘は、『姿』が突然現れたり消えたりするわけでない。
✘✘の『存在』が現れたり消えたりするのだ。
存在が消えると、僕の✘✘への記憶も消えてしまう。
もうそろそろ時間か...。
とにかく、✘✘は不思議な力を持っている“妖精”。
それでは、さようなら。
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「...?」
今日、通り雨が降ってたのか。
僕が窓の外を眺めていると、なぜか、何か忘れているような気がしてきた。
「通り雨といえば〜?」
なんだろ。まっったく分からない。
僕はなにを忘れているのだ?
「お〜!れっ!」
「ファツゥッッッ?!」
え、え、え、
背から翼?!小人?!飛んでるッ???
「な、何者ですじゃっ!」
「...覚えてないかぁ〜」
覚えてない、...とは?!
「俺、✘✘!」
「...えっ?な、なんて???」
上手く聞き取れないのだが。
「...んーとねっ!」
妖精と仲良くなって、月日がたったある日、
僕は思い出したのだ。
……思い出してしまったぞ。
「“りと”...」
「...もう思い出しちゃったんだぁ」
辛そうにりとが笑う。
僕の中にあるりとの記憶が消える。そして、思い出すと、次の日には俺の中の記憶の、りとのが消える。そして、また思い出す。すると、次の日忘れる。
つまり、無限ループだ。
「...君って変わった子だよね、ほんと」
「そんなことないのだ!僕は正真正銘僕である!酷いぞ!」
「そーゆところ!」
明日になったら忘れるのか。
僕は泣かないように、布団を被って眠りにつく。
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「そーゆところ!...も愛おしいけどねぇ」
君は俺を忘れる。
「...また最初っからかぁ、」
君は気づいてないかもだけれど、
俺、りとは人間だ。
ただ、違うのは、君は人間ではない。
「次こそ、絶対クリアする!!!」
ゲームスタートのボタンを押す少年。
少年の家の外では、通り雨が降っている。
ジャングルジム。
白い透明な肌。
真っ直ぐな瞳。
暗黒の髪。
「…遊舞ッ」
「……おねーちゃん、」
___久しぶり_________
目覚ましの音で現実に引き戻される。
遊舞とジャングルジムで遊んだこと、覚えてるよ。
そんな寂しそうに、私に“存在”を証明しなくていいよ。
私の中の遊舞は、まだ一緒にジャングルジムで遊んでるんだから。……まだ生きてるから。
そんな悲しそうな顔をしないで。
私も辛くなっちゃうから、。
声が聞こえる
みんな僕が嫌い。
みんな僕をいじめる。
みんな僕は必要ないと感じてる。
痛いの慣れない。
辛いのやだよ。
苦手だな。
泣きたい。
ルールなの?僕を嫌うのは。
隣の子も、みーんな僕の悪口ををいう。
……。
『いつになると……。』
カイホウされるんだろう。
今でも君の声がきこえる。
いつか、カイホウされた時の為に……。
いつか、君に再会した時の為に……。
僕が今を生きなければならない。
「負けないで」
君の声は僕の心を強く動かす。
弱いけど、僕は今日も生きてるよ。
「負けないよ」
ぽつり、と僕の口から
弱くて、とっても弱い、
それでいて揺るがない、
ちっぽけな意思が聞こえた。
『縦読み』