どうして、毎朝目が覚める。
どうして、毎晩眠りにつく。
どうして、毎日必死に生きている?
昔、叶えたかった夢は心の中で埃をかぶり
いつか会いたかった想い人は探すのを諦めた
早く一日が終われと日中を過ごし
明日の足音に怯える夜
どうして、毎朝陽は昇る。
どうして、毎晩夜空が覆う。
どうして、毎日死ぬのをやめる?
自分のことも分からない
他人のことは尚更
生きる意味も死ねない理由も
分からないのに
分かるはずないのに
どうしても明日を諦めれないのは
どうして。
辛いとき、本を読む。
自分をどうしようもなく嫌いになったとき、物語の中へ逃げ込んで自分では無い何者かになりきる。
そんなときの私は底なしに輝いていて嫉妬や悩みなんかの負の感情さえ力に変えて進んでく。
心躍る冒険と、身を焦がすような恋愛をして眩しすぎるくらいの青春と、何にも代えがたい経験を積んで、一点の曇りもない朝の快晴みたいな余生で彩られた人生。
本を閉じて現実に引き戻されたとき、今まで溜め込まれた不安と焦りと恐怖が一度に私を襲う。
真っ直ぐ前を向いて成長していく物語の主役と何一つ変わらない憧れるだけの私がそこにいる。
夢を見ていたい、綺麗な夢。
私の憧れるものは全てそこにある。
けど夢は覚める。
そんなことはもう分かってる。
現実を見なきゃいけないってことも。
それでも私の瞳に映るこの世界は
あまりにもモノクロで、弱虫の私にはあまりにも鋭すぎるから
だからもう少しだけ夢を見ていたい。
ずっとこのまま
約束された幸せ
ちいさな幸せと
ちょっとの不幸
辛いことは無い
悲しい事も無い
だから少しだけ
退屈でも大丈夫
ずっとこのまま
生きるのは嫌だ
指もつま先も痛いほどに冷たい空気の中では為す術なく枯れた広葉樹の如く生気を感じない。それでも僕の心臓は強く熱く抗い続けている。
20歳
節目の歳
自由を手に入れる歳
社会の後ろ盾を失う歳
自由という名の底知れぬ恐怖
身に余るこの自由
上手く付き合っていこう。