辛いとき、本を読む。
自分をどうしようもなく嫌いになったとき、物語の中へ逃げ込んで自分では無い何者かになりきる。
そんなときの私は底なしに輝いていて嫉妬や悩みなんかの負の感情さえ力に変えて進んでく。
心躍る冒険と、身を焦がすような恋愛をして眩しすぎるくらいの青春と、何にも代えがたい経験を積んで、一点の曇りもない朝の快晴みたいな余生で彩られた人生。
本を閉じて現実に引き戻されたとき、今まで溜め込まれた不安と焦りと恐怖が一度に私を襲う。
真っ直ぐ前を向いて成長していく物語の主役と何一つ変わらない憧れるだけの私がそこにいる。
夢を見ていたい、綺麗な夢。
私の憧れるものは全てそこにある。
けど夢は覚める。
そんなことはもう分かってる。
現実を見なきゃいけないってことも。
それでも私の瞳に映るこの世界は
あまりにもモノクロで、弱虫の私にはあまりにも鋭すぎるから
だからもう少しだけ夢を見ていたい。
1/13/2024, 11:03:42 AM