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4/21/2025, 11:01:21 AM

「誰?」
「…会ったことないはずだよ」
「だよね。俺、君のこと覚えてないもん」
「会ったことないんだから、覚えてるも何もだろ」
「…ぁあ、確かにね」
「うん。…行かなくていいのか」
「…?どこに」
「ん」
「…、なにあれ」
「わからん」
「知らないのかよ」
「そりゃそうでしょ、俺だってここ来たの初めて」
「あ、そうなの?」
「うん」
「じゃー、仕方ないか。…きみは?きみは、いかないの」
「…俺は行けないんだ」
「?なんで」
「…いいから。早く行けよ」
「そんな急かさないでよ」
「早く行かないと、戻れなくなるぞ」
「?なにいって」
「早く行けって」
「うぉっ!?押すなし!」
「…うるさい、お前が悪い」
「なんで、だよ!もー、!」
「…またね」
「またねっ!!?」

「…はー、辛」

4/20/2025, 12:42:36 AM

「影絵ってなに」
「しらん」
「え、誘ってきてたのそっちだよね」
「調べてみないとわからんだろ」
「自由すぎん?」
「うるさい黙れ」
「メンタル不安定ですか」

4/16/2025, 8:14:48 AM

色々注意



















私は、好きになってしまった。
腰あたりまである長い黒髪、背が高めの華奢な身体。
白い肌色に長い睫毛。
その姿を目にした瞬間、私は心を奪われた。
そこからは、ストーカーみたいに目で追ったり、自分なりにあの子の頭に残るように頑張ってみたけど、あまり効果はなかったみたい。
自分は、あそこで騒いでる陽気な奴みたいにはなれないから、できることは限られていた。
私が衝撃を受けたのは、雪がようやく溶けてきた頃。
騒がしい生徒玄関で、靴箱からローファーをとりだして踵をコンクリートに叩きながら帰ろうとしていたときだった。
「あの、すみません」
背後から聞こえてきたのは、鈴のような美しい声。
一瞬で、あの子だとわかった。
顔が歪みそうになるのを抑えて振り向いた。
「…はい、どうかしましたか」
「えっと、これ…落としてませんか?」
差し出されたのは、お気に入りのシャープペンだった。
記憶を引きずりだしていると、彼女の困惑している表情が目に入ったので、胸が痛くなりすぐさま返事をする。
「これ、私のです。すみません、どこで拾いましたか?」
「あそこの廊下で置いてあって…」
「ありがとうございます、これお気に入りなんです」
何年も使っているから手持ちの部分が薄汚れているが、書き心地もよく、母からもらった大切なものだ。
「そうなんですね」
微笑む彼女の顔は、パーツが全て整っているからかとても輝いて見えた。
「はい、お礼になにかしたいんですけど」
これは建前。本音はもっと一緒にいたいから。
「…じゃあ、我儘言っても良いですか?」
「いいですよ」
「一緒に、ご飯行きませんか…」
顔を赤らめていう彼女をみて、さすがに頬が緩んだ。
バレてないと良いけど。
「もちろん!いきましょう」


4/14/2025, 11:34:49 AM

「ねーねー」
突然、授業中に隣の席のやつから声をかけられた。
「…なんや、今授業中やで」
「もー、つれないな〜」
さすがに授業中に大きい声で話すのは、たとえ自習時間で先生が居らず、周りが話しているからって好ましいものではないだろう。
「で、なんなん?」
目を合わせることなく開いていた教科書類をまとめてながら適当に返すと、視界にいなかったはずのコイツが急に入ってくる。
「あのさ!これ、書いた?」
そう言ってヒラヒラさせながら俺に見せてきたのは、一枚のプリント。ずっと持っていたのか、持っていた部分が少しクシャクシャになってしまっている。
それを受け取り、一番上から目を通していくと、そこには『未来の自分』と書かれていた。
「なんやこれ、まだ書いてなかったん?」
確か、このプリントの期限はもう数日過ぎていたはずだ。
提出期限厳守と言われていたので、みんな提出したものだと思っていたのだが。
「うん、センセーに確認したら仕方ないから明日までにって」
「はぁ…ジブンきちんとせえや」
わざとらしいため息をすると、コイツはぷくーっと頬を膨らませ、目を細めた。
「だって、わかんないんだもん。仕方なくなーい?」
コイツはいつも自由すぎるのである。
チャラ男で、女ったらしで、よく違う女と歩いている。たまーに顔に赤いあとをつけて来るので、ざまぁ、と思っているのは秘密。
そのくせ、英語だけの成績はいいのだが、それは担当先生が美人で爆乳の可愛い子だからだ。他はボロクソ。
このプリントを担当しているのは、美人とも言えないが、それなりに乳がデカい女なのでコイツが味をしめ、根気よく声をかけていたら、ころりと落ちてしまったらしい。それからは、特にコイツにだけは甘いのだ。
男の俺が聞くと馬鹿らしくて敵わないが、女からすると違うものなのだろうか。
「はいはい、何で俺に聞くねん。はよかけや」
うざったらしく、俺の視界の前で揺れるプリントを手でよけるとその代わりにコイツの顔が現れる。
「だから!助けてほしいって言ってんじゃん」
そんなこともわかんないの、この鈍感!と言われ謎に腹が立つが、コイツと付き合ってればそんなの日常茶飯事なので、キレはしない。
「俺はもう提出したわ、何書いたのかも忘れた」
これは本当だ。未来なんてわからないのだから、何を書いたら良いのかわからなかった。ただ、とにかく提出期限を守るためだけに書いた。だから、内容はあまり覚えていない。
「ちぇー、つまんねー」
あきらかに不機嫌そうな顔をし、やっと自分の席に戻ったのかと思えば、肩に手を置かれ、ぐいっと寄せられる。力が弱いわけでもないので、できれば早く話してほしいのだが。
「じゃあさ、今度昼飯奢るから。手伝ってくんね!?」
妙に目をキラキラさせて、そう言われてしまっては流されやすい俺には、致命傷となるのだ。
「…はー、仕方あらへんなぁ」
そう言って、椅子をずらすとコイツは目を大きくして
「まじ!?ありがと〜!」
って言って笑った。

4/12/2025, 1:38:35 PM

「うわー、すげえ綺麗」
「ホントじゃん」
今日は、二人とも暇で何もすることがなかったので久しぶりに僕の家近くの公園に訪れることにした。
公園なんて幼稚園児でもないからきてなかったけど、ひさびさにくるとやはり何か来るものがある。
「前はこんなのなかったよね」
そう指をさす先を見ると、一台の滑り台があった。
「確かに」
滑り台なんて、公園にあるものの中では定番だろうが、なぜかこの公園には滑り台がなかったのだ。
今思うと気になって仕方がない話だが。
「最近出来たのかな」
指先で軽く触れると、錆もなく、さらさらとした触り心地のいい新品のような滑り台だった。
「そうかもね…ねえ、滑らない?」
「お、やっちゃう?」
幼稚園児でもないけど、まだまだ子供なんだから、滑り台したって何ら不思議なことではない。
むしろ、滑る奴だって多いだろう。
「よし!いくぞー」
「こい!」
腕を上げて、うわーとわざとらしく声をあげながら滑り落ちるのをみてると、なんかほわほわしてくる。
なにこれ、何現象??
ま、どーでもいいか

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