鶴づれ

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7/14/2023, 1:49:43 PM

手を取り合って


 君の幸せのためなら、それでもいいと思ってた。

 君が、知らない誰かと手を取り合い歩いていく事実が、どうしょうもなく苦しいのに。

7/13/2023, 11:36:56 AM

優越感、劣等感


「なぁ、アサガオってあるじゃん?」

 放課後、教室でiPadとにらめっこしていると、向かいに座った彼が突然、そう呟いた。
「えっ、うん。そうだね」
 iPadから視線を移して、とりあえず頷く。

「朝があるってことは、夜もあるのか?」
 じっと私を見つめる彼の瞳には、好奇心がきらきらと宿っている。

「えっと、ヨルガオのこと?あるよ」
 ほら、とスマホで検索した画像を彼に見せる。
「ヨルガオだけじゃなくて、ヒルガオもユウガオもあるよ。面白いよね」
「本当だ!すげぇ!」

 私のスマホを手から奪い取り、簡単に見られる花の画像を、珍しい宝物のように眺め始めた。

 頭がいい彼の、知らないことを知っていた。ちょっとした優越感に浸っていると、彼がスマホを私に返した。

「もういいの?」
「大丈夫!ありがとう、いい短歌ができそう!」
 ニカッと笑って、彼はルーズリーフに短歌になりそうな言葉をメモし始めた。集中しているようで、もうなにも言ってくれない。

 私の小説は、まだなにもないのに…。

7/12/2023, 1:45:51 PM

これまでずっと


 あれ?忘れてた?ごめん!
 今日、一緒に帰ろうって、言ってたんだね。

 いや、言い訳に聞こえるかもしれないけど、最近、すっごく忘れっぽいみたいでさ。
 あんまり自覚はないんだけど…。

 えっ?これまでずっと、一緒に帰ってた?
 中学の頃からずっと?

 いやだな〜。そこまで忘れっぽくないって!

 それに、私達が出会ったのは高校に入ってからでしょ?
 初めての日直、一緒にやって…。

 え?それが中学の話…?

7/11/2023, 1:07:07 PM

1件のLINE


 LINEのKeepメモには、僕の目標がポンポンと一方的に送られている。目標を言葉にすると、ほんのちょっと、覚悟と勇気が乗ってくるから。

 LINEの友だちの中から、緑色のアイコンをタップする。一つ、呼吸を置いて、できたばかりの目標を打つ。誤字がないことだけ確認して、送信する。

「いつか、君に好きだと伝える」

 卒業までに、達成できるといいな…。
 なんて思っていたら、メッセージの横に「既読」と表示された。あれ、これはKeepメモではなくて…?

 改めて画面全体を見ると、目標の上には縦に二つ並んだ「よろしく」のスタンプ。

 これは…。今日、君と交換したばかりのLINEじゃないか…!?

7/11/2023, 1:42:57 AM

目が覚めると


 目が覚めて、一番最初に見えるのは、私の部屋の白い天井。太陽の光にやんわり照らされて、ぼうっと明るいの。
 次には、目覚まし時計かな。白い天井の後には、目覚まし時計の赤が眩しい。

 あなたは、朝起きたらなにが見える?

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