【窓から見える景色たち】
何かを求めて やってきた街
結局 何も見つけられなかったけど
あの人と過ごした日々は温かかった
あの人が遊びに来てくれてたときは
何も気にしなかったけど
僕がまたひとりで過ごすようになってからは
僕の部屋の窓から見える景色は
殺風景で温かみが無くなっていた
やがて 僕もあの部屋から去ったが
僕の次に入居した人たちは
あの部屋の窓から
どんな景色を見ているのだろうか
恋愛詩人よしのぶ
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【過ぎていく約束と夜景】
「たとえ別れてても5年後にここで会おうね」
君が僕と見たい場所だと言って
あるビルの上から夜景を一緒に見たときに
そう言われた言葉だ
それから 進む道を違えて
時間がどんどん過ぎていったが
その約束なんて
君はもう 無かったことにしてくれているだろう
それでいい それでいいんだ
『交われないからこそ得られる幸せ』があるならば
君は今 とても幸せに過ごしているのだろう
それでいい そうあってほしい
君と見た夜景が今夜も離れていく
恋愛詩人よしのぶ
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【僕の代わりに空が泣く】
好きだった
本当に好きだった
君と並んで
ふたりでこの道を歩いていけたなら
それ以上の幸せなんてなかった
心が悲しみに染まりすぎて
涙もろいはずの僕の目からは
涙は一滴も流れなかった
その日は
まるで僕のことを見通してたかのように
天気予報の雨が的中した
悲しくてたまらないはずなのに
僕はまったく泣けなかった
そんな僕の代わりに
激しい音を立てて空が泣いていた
恋愛詩人よしのぶ
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【喪失感】
初めての恋をして
初めて恋を失くしたとき
僕の心に穴が空いた
そのときのことを
ある日 人生の師匠に話した
「初恋は実らないものだよ」
師匠のそんな言葉に
今なら僕は
「それも道のひとつだよね」
そう答えることが出来るが
あのときの僕には
まるですべてを失くしてしまったほどの
とてつもなく重い出来事だった
恋愛詩人よしのぶ
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【踊るように】
貴女と初めての待ち合わせ
待ち合わせ場所の
道順も
歴史も
『あるある』も
昨日の夜にネットで充分調べた
貴女に会えたら
最初は何を言おうか
「会えてうれしいよ」
それは言いたいけど
いきなり過ぎるかな
待ち合わせ場所の『あるある』で
少しでも貴女を笑わせてみようかな
貴女が待ってくれている場所へ
踊るように向かっているこの瞬間だけは
僕は世界一のダンサーに
なれているような気がしたんだ
恋愛詩人よしのぶ
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